gallery.sora.

田村尚子

2006年 2月18日 - 3月18日

霧のようにもやもやとした光線があたりに漂い、そこに幾何学的な直線が組み合わされ、いわばクリーム状の光線の平行六面体が、空想上の壁に投影されているのだった。
ジャン=フィリップ・トゥーサン( "Voice" 後書きより)
すべての思惟は屈折した感覚に由来する。
E. M.シオラン

gallery.sora.では、2月18日から3月18日まで京都在住の写真家、田村尚子の初個展を開催いたします。近年の活動としてはタカ・イシイギャラリーでのグループ展 "Sugar Hiccup" への参加、写真集 "Voice"(青幻舎刊)の出版などがあります。

田村尚子にとって、感覚的なものこそ最も重要である。
彼女の作品は、イメージを作り出すプロセスに内在する可能性を最大限に引き出している。型にはまらない視点のとり方が一枚一枚の写真に息づいており、被写体としては映っていないはずの彼女の存在がはっきりと感じられる。視覚的関係性を経験するための最も重要な手段として、距離感と色彩に深々とした意味が与えられ、しかも充溢するイメージになんら余分なものはない。見ることや感じとることをめぐる新たな方法を示唆する作品である。

本展覧会は新作と既存の作品からのセレクションで構成されております。視覚の可能性を写真という手段を通して問いかける田村尚子の作品をぜひご高覧ください。