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加賀美 健 展 「Penis」

2005年 11月19日 - 12月17日

gallery.sora.では、新しいプロジェクト・スペースのオープニング記念展として、2005年11月19日(土)から12月17日(土)まで、加賀美健の「Penis」展を開催致します。

加賀美健は(1974年東京生まれ)は、2003年にタカ・イシイギャラリーのビューイング・ルームにて「milkman(ミルクマン)」のドローイングや立体作品を発表し、国内外で大きな注目を集めました。2006年春には海外での初個展も予定され、今後の活躍が期待されています。2年ぶりとなる本展では、プラスチックやゴムでできた玩具、ぬいぐるみなどのパーツを組み合わせた立体作品群を中心に展開致します。

ペニスという言葉の響きに着目して作られている。
これらの作品は、グロテスクなものではなく、幼児性が強く現れているものです。
加賀美 健

これまで加賀美は、ハローキティやマイメロディ、ミッキーマウスなどポピュラーで愛らしいキャラクターの「形」を借用して、あたかも失敗したクローン人形のような、どこか奇妙でかわいい遺伝子を引き継いだ珍キャラクターを生み出してきた。
「形」を借用する一方で、「言葉」によって見る者の想像力を刺激し、思考を一瞬麻痺させるような作品もある。例えば「BRITNEY SPEARS」(ブリトニー・スピアーズ)や「BRAD PITT」(ブラッド・ピット)といった有名スターの名前がまず目に飛び込み、次に意表をついた「形」との組み合わせに思わず吹きだしてしまうシリーズなどである。

本展タイトルの「Penis」という「言葉」、そしてその「形」もまたハローキティやブラッド・ピットと同様、誰もがすぐ何らかのイメージを連想する強烈さを内在する。
出品作では、突然変異したハローキティの代わりに、あらゆる可能性を追求して突然変異したペニスが次々と登場し、大真面目に「形」と「言葉」の実験を繰り返す。

悪趣味の系譜としては、チャップマン兄弟、ダミアン・ハースト、トニー・アウスラー、マイク・ケリー、ポール・マッカーシーなど、数多くのアーティストの名が浮かぶ。加賀美は、そのポップで鮮烈なカラーセンス、残忍さやグロテスクとは無縁の底抜けに明るいブラック・ユーモアによって、悪趣味の系譜に新たな境地を切り開いていると言えるだろう。