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東松 照明

東松照明 「チューインガムとチョコレート 山口・岩国」 1960年、ゼラチン・シルバー・プリント © Shomei Tomatsu – INTERFACE

1930年名古屋市生まれ(2012年没)。大学在学中より写真の制作を行い、間もなく頭角を現し戦後の日本の写真界を牽引する中心人物として活躍。基地周辺の人物や風景をとらえた「占領」シリーズをはじめ、原爆の記憶を辿った『〈11時02分〉 NAGASAKI』(1966年)など、時代状況への鋭い視線とともに、写真表現の可能性を切り開いてきた。1969年に沖縄と出会って以後、基地だけではなく豊かな自然や風俗への関心も深め、その成果は毎日芸術賞や芸術選奨文部大臣賞を受賞した作品集『太陽の鉛筆』(1975年)に纏められた。1999年には長崎へと拠点を移し、その後沖縄にも拠点を作り、旺盛な作品制作を展開。
主な個展に「日本列島クロニクル―東松照明の50年」東京都写真美術館(1999年)、日本曼荼羅シリーズとして各地で開催された「長崎マンダラ」長崎県立美術博物館(2000年)、「東松照明展 沖縄マンダラ」浦添市美術館(2002年)、「愛知曼荼羅-東松照明の原風景-」愛知県美術館(名古屋、2006年)、「東松照明:Tokyo曼陀羅」東京都写真美術館(2007年)、「写真家・東松照明 全仕事」名古屋市美術館(2011年)や、「Shomei Tomatsu: Island Life」The Art Institute of Chicago(シカゴ、2014年)など。加えて、2007年までアメリカ、ヨーロッパ各地を巡回した「Shomei Tomatsu: Skin of the Nation」サンフランシスコ近代美術館(2004年)など海外での展覧会歴も多数ある。主な受賞に、日本写真批評家協会新人賞(1958年)、日本写真批評家協会作家賞(1961年)、毎日芸術賞(1976年)、芸術選奨文部大臣賞(1976年)、紫綬褒章(1995年)、日本写真協会功労賞(2004年)など。