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杉浦 邦恵
名古屋市生まれ。現在ニューヨークを拠点に活動。1967年シカゴ美術館附属美術大学学士課程修了。同大学在学中、コンセプチュアル・フォトグラファーであるケネス・ジョセフソンに師事したことを契機に、以後、50年近く写真による多様な表現を提示し続けてきた。60年代のカラー写真、70年代のキャンバス上に写真とアクリルを塗付した写真作品、80年代から始まる日常生活のモチーフを定着させたフォトグラムなど、写真とその他の媒体との関係、写真における「もの」とその抽象化の表現について探究を続けている。人生をとりまく時や光、うつろう自然の儚さとその記憶を捉えた杉浦の作品には、具象性と抽象性、即興と構築といった相反要素が共存している。主な個展として「Time Emit」Visual Arts Center of New Jersey(サミット、2008年)、「Dark Matters / Light Affairs」カリフォルニア大学リチャード・L・ネルソンギャラリー&ファインアーツコレクション(デイヴィス、2001年)などがある。これまでに、第23回東川賞 国内作家賞(2007年)、Artist ‘s Fellowship, New York Foundation for the Arts(1998年)を受賞。作品は、デンバー美術館、ボストン美術館、ニューヨーク近代美術館、東京都写真美術館に収蔵されている。