ARTISTS
掛井 五郎
1930年静岡県生まれ(2021年没)。19歳のときに木内克に師事し、彫刻家を志す。1953年東京藝術大学彫刻科卒業。1957年、第21回新制作協会展に「受胎告知」で新作家賞を受賞し、以後、団体を退会する2001年まで新制作協会を中心に活動。1962年には青山学院女子短期大学芸術学科の教授、1968年にはベラクルス大学(メキシコ)の客員教授に就任。後進の指導に努めながらも、世界各国に滞在し制作を行う。立体作品にとどまらず、油彩、ドローイング、エッチングやリトグラフなど幅広い表現方法を用いて、主に人間や自然環境をモチーフに、生きるものへの深い愛情を自由な精神で造形し続け、既成の美術概念に捉われない独創的な作品の数々を残した日本の戦後の彫刻家として知られています。
掛井の主な個展として、「彫刻・掛井五郎の世界」現代彫刻センター(東京・大阪、1984 年)、「北に東に」中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館(北海道、1999 年)、「掛井五郎・夏の森」大川美術館(群馬、2011年)など。主なグループ展には、「日本近代彫刻の一世紀:写真表現から立体造形へ」茨城県立近代美術館(茨城、1991年)、徳島県立近代美術館(徳島、1991 年)に巡回、「彫刻の新世代展」東京国立近代美術館(東京、1963年)、「ストーリーズ展」静岡県立美術館(静岡、2021年)など。主な受賞は、第7回中原悌二郎賞優秀賞(1976年)、第7回現代日本彫刻展神戸須磨離宮公園賞(1977年)、第9回現代日本彫刻展東京国立近代美術館賞/神奈川県立近代美術館賞(1981年)、第2回高村光太郎大賞展優秀賞(1981年)、第23回中原悌二郎賞(1992年)など。