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山本 悍右

“Title unknown”, late 1930s, gelatin silver print, image and paper size: 19.2 x 28.6 cm ©Toshio Yamamoto, the Estate of Kansuke Yamamoto

山本悍右は1914年愛知県生まれ(1987年没)。明治大学仏文科を中退、1930年から詩作を始める。1931年、「シュルレアリスムの写真における実践」を目指し写真制作を始め、同年、小此木光也らと共に写真集団「獨立寫眞研究會」を名古屋にて結成、新しい写真表現の模索を行う。1937年開催の「海外超現実主義作品展」に触発され、翌年、シュルレアリスム詩誌『夜の噴水』を発行(警察の検閲により1939年第4号にて終刊)。また1938年には、吉武源雄らと写真グループ「青憧社」を結成、機関誌『CARNET BLEU』を刊行する。山中散生、下郷羊雄が中心となって結成された「ナゴヤアバンガルド倶楽部」の写真部会が独立する形で1939年に結成された「ナゴヤ・フォトアバンガルド」に参加。北園克衛が主宰する前衛詩人グループ「VOU」の同人となり、1978年の解散まで『VOU』誌上、『形象展』で詩や作品を発表。1947年、後藤敬一郎、高田皆義、服部義文と前衛写真家集団「VIVI」を結成。1949年には「美術文化協会」の写真部会員となる。 山本は1930年代初頭から1980年代に渡って、鋭い社会批評の眼と独自の詩的な感性で前衛的な写真表現を探求し、日本におけるシュルレアリスム写真の先駆者として優れた作品を残し、脱日常的に配されたオブジェの撮影や素材細部の接写、コラージュやフォトモンタージュなど、その手法は多岐に渡り、1950年代以降には演劇的な連続写真や実験的なカラー写真、フォトグラム、立体・絵画作品も手がけた。主な個展に「シュルレアリスト山本悍右」東京ステーションギャラリー(2001年)など。主な国際展に「Japan’s Modern Divide: The Photographs of Hiroshi Hamaya and Kansuke Yamamoto」The J. Paul Getty Museum(ロサンゼルス、2013年)など。主な作品収蔵先に名古屋市美術館、東京都写真美術館、Santa Barbara Museum of Art、The J. Paul Getty Museum、The Art Institute of Chicagoなど。

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