EXHIBITIONS
荒木経惟 「東京ブルース 1977」
会期: 2013年8月24日(土) – 9月21日(土)
会場: タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム(東京・六本木 AXISビル)
オープニング・レセプション:8月24日(土)18:00 – 20:00
タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムは8月24日(土)から9月21日(土)まで、荒木経惟個展「東京ブルース 1977」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでの21回目の個展である本展では、1977年に行われたニコンサロンでの個展「東京ブルース」に出展された作品のなかから、ヴィンテージ・プリント26点を展示いたします。
ドキュメンタリーとは、写真とは、写真機とは、演技なのである。演技こそが真実であり、それを複写しなくてはいけないのだ。女、男、街、みんな主役になって、演じ、生きている。精いっぱい演技して生きているのだ。
荒木経惟「ペタンク・アラキ 連載3」『カメラ毎日1977年4月号』より抜粋
被写体との関係性の濃い、極めて私的な写真作品を撮り続けてきた荒木は、自身の写真に事実とは一部異なるドキュメンタリー調テキストを添えた『荒木経惟の偽ルポタージュ』(1980)や、カメラの日付表示機能を用いて、実際とは異なる撮影年月日を表示させた『荒木経惟の偽日記』(1980)など、写真に潜在する虚構性を引用した作品集を70年代から発表しています。「東京ブルース」は、当時荒木が出会った九州出身の女性から始まる‘つくりごと’のドキュメンタリーです。生まれ育った街から、東京へ。女性たちの生い立ちとその生活に‘ブルース’を感じた荒木は、彼女たちの「演技」を愛着ととともに「複写」しました。これらの作品が収められた作品集『劇写「女優たち」』(1978)の中で、荒木は次のように述べています。「かつて私は、現実を超え、現物を感じされる女を、「広辞苑」に内緒で、女優と定義したが、実は、女は、すべてが現実を超えていて、現物なのである。女はすべて女優なのである。」70年代の荒木の動向を物語る貴重な作品を是非この機会にご高覧ください。
■作品集詳細
『東京ブルース 1977』 タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム刊
2013年8月24日刊行
ソフトカバー、48ページ、収録作品43点、H18.7 x W23.2 cm
販売価格:3,675円(税込み)