EXHIBITIONS

登山博文

会期:2013年4月27日(土) – 5月18日(土)[ゴールデン・ウィーク休廊:5月3日- 6日]
会場:タカ・イシイギャラリー (東京・清澄)
クロージング・レセプション:5月18日(土)18:00 – 20:00

タカ・イシイギャラリーは4月27日から5日18日まで、登山博文の個展を開催いたします。1967年に福岡県に生まれた登山は現在名古屋を拠点に活動し、これまであいちトリエンナーレ(2010年、名古屋)や「放課後のはらっぱ 櫃田伸也とその教え子たち」愛知県美術館・名古屋市美術館(2009年、名古屋)などに参加。タカ・イシイギャラリー初個展となる本展では、新作のペインティング作品約10点を発表いたします。

線をひく

絵の具が絵の具以外の質にならないように、すでに描かれた途中の絵におさまり過ぎず表面からは浮き過ぎず、攻める姿勢をもって、景色の中の電線ほどには人工的にはならず、伸びやかにしかし大味にならないように、細心の注意をもち大胆に無理やりに、早くひかれて見えるようにゆっくり描き、ひかれることでリズムになるように、きわを整えず、その絵に必要な階調の色で、調子がからっとなるように、欲を持たず、はやく、すでにひかれた線の途中を見ないようにしながら、そこで描き手が変わったみたいに、これまで描いたことのない線で、そのときはなにも考えないで。

2013年3月 登山博文

 登山は愛知県立芸術大学卒業後から一貫して、線や面、色彩などの造形要素や、それらの描き方や描く順序などを手がかりとして、また規範として、絵画の生成過程そのものに向き合ってきました。線が意図を帯びないよう、ブラインド・ドローイング作品を制作するなど試行錯誤を繰り返す登山の姿勢は、絵画を何らかのツールとしてではなく、絵画そのものとして成り立たせようとするものとも言えるでしょう。こうして、仕上げるのではなくでき上がる絵画には、描くという行為そのものが現れるかのようです。探求の幅をいっそう広げつつある登山の最新作を、是非この機会にご高覧ください。

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