EXHIBITIONS

マリオ・ガルシア・トレス 「Telltale of A Sunday Practice」

会期:2012年12月15日(土) – 2013年1月12日(土) [冬期休廊 12月28日 – 1月7日]
会場:タカ・イシイギャラリー(東京・清澄)

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タカ・イシイギャラリーは、メキシコ・シティを拠点に活動するマリオ・ガルシア・トレスの個展「Telltale of A Sunday Practice」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーにおける2度目の個展となる本展では、作家自身がスタジオで経験した問題点を、コンセプチュアル・アートの視点を通して再考察する新作を発表いたします。

今回の展示作品の中心となる「The Kid Who Loved Being Bored」は、退屈であることの素晴らしさとその利用方法を子ども向けの絵本という形式で表現した短いエッセイです。物語では、主人公であるチョコが光線のなかで過ごすわずかな時間に経験する心の動きと発見が描かれ、想像力による解放の可能性が提示されます。

展示期間中スライド上映される本作品は、ギャラリーという環境に子どもたちを受け入れる際のアート作品の見せ方を再検討するかのようです。「The Kid Who Loved Being Bored」(作:マリオ・ガルシア・トレス/イラスト:平澤朋子/音楽:グスタボ・マウリシオ・エルナンデス・ダビラ(キエロ・クラブ))

歴史やコンセプチュアル・アートの試みを見直すための手段として、ガルシア・トレスは写真、映像、パフォーマンス、「printed intervention」(印刷物などにテキストを書き加えて意味を付加する表現方法)にとどまらず、多種多様なメディアの可能性を追求しています。一見客観的な表現方法で情報を伝えているように見えるコンセプチュアル・アートの美しさを逆手にとり、ガルシア・トレスは記憶や理解のずれを明確化し、現在我々が直面する課題についての懸念を表明しているのです。

1975年にメキシコ・モンクローバに生まれたガルシア・トレスは、2005年にCalifornia Institute of the Artsを卒業。近年の個展としては、ソフィア王妃芸術センター(マドリード、2010年)、ミロ美術館(バルセロナ、2009年)、CCA Wattis Institute for Contemporary Art(サンフランシスコ、2009年)、ステデライク・ミュージアム(アムステルダム、2007年)などが挙げられます。またガルシア・トレスは、「サンパウロ・ビエンナーレ」(2010年)、「台北ビエンナーレ」(2010年)、「横浜トリエンナーレ」(2008年)、「ヴェネツィア・ビエンナーレ」(2007年)、「ドクメンタ 13」(2012年)などにも参加し、2007年のフリーズ・アートフェアにおいては、カルティエ・アワードを受賞しています。