EXHIBITIONS

第一回 前橋国際芸術祭 2026 連携企画: 大野陽生 「漁村/象徴」

会期: 2026年10月31日(土) – 12月20日(日)
会場: タカ・イシイギャラリー 前橋
オープニング・レセプション: 10月31日(土)18:00 – 19:00

タカ・イシイギャラリー 前橋は、10月31日(土)から12月20日(日)まで、大野陽生の個展「漁村/象徴」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでは初めての個展となり、新作を含む立体作品約40点を発表いたします。本展は、第一回 前橋国際芸術祭 2026の連携企画として開催されます。

大野は様々な宗教とその慣習が入り混じる日本社会において、信仰心や畏敬の念から生まれる造形に関心を寄せています。必ずしもプロポーションの整った理想の美を追求しているわけではないそれらの存在は、長い歴史の中で広く人々に受け入れられ、豊かな魅力に溢れています。原始的な彫刻や西洋の図像、あるいは寺社仏閣の文化財に至るまで幅広いモチーフが大野の手によって掬い上げられ、それらのイメージを現代の視点から再解釈して立体作品へと形作ります。

制作中のものの物質性とイメージが溶け合わさるような時、それらは「国語」ではないなにか別の認知によって立ち現れる。ある種の意訳や、教義から外れたものを「外典」とした時、それらを内的なスケールの広がりをもった象徴として放流できないだろうか。

2026年9月 大野陽生

大野が制作の中で用いる素材は、FRP(繊維強化プラスチック)、鉛、樹脂、そして木や石など、多岐に渡ります。化学的な硬化や大きな塊から削り出すといった、マテリアルごとに要求されるプロセスの違いに伴って質感の差が生まれ、作品は様々な表情に富みます。いずれも無垢の素材を提示し、特徴を覆い隠すような着彩を行わないことで、目の前にある物質との対話を通じて目指すべき姿形へと至ろうとする作家の姿勢が見て取れます。作品の表面に残される手つきの痕跡は、今では名が失われてしまった人々がかつて彫り、塑したような、意志そのものが造形に定着した姿と重なります。

会場内で意識されるのは、作品一つ一つのスケールでしょう。床に置かれる大型の作品は人型を模し、展示空間を等身大に占めるために鑑賞者の身体感覚を喚起します。顔が頭部の表裏にあるといった特徴が顕著に示す通り、作品の構造が有する一定の方向意識により、空間に動きを作り出します。一方で壁面に展示される小型の彫刻は、植物や魚、あるいはゴブレットなどがモチーフとなり、外的世界が小さく削ぎ落とされ手元で慈しまれる根付や信心具、お守りを彷彿とさせます。大野の作品も、身の回りの生命を愛おしみ日常に取り込む行為や、内省を通して別世界への広がりに至る契機を問いかけ、人間の内なる想像力がいかにして形となって現われ出るのか、鑑賞を通じて辿ることができます。

物質との対話から生まれた大野の作品は親密さを湛え、鑑賞者の身体や精神の深層へと訴えかけてくるようです。空間全体に満ちるその気配は、私たちを別世界への思索へと誘う契機となるでしょう。

本展は「第一回 前橋国際芸術祭 2026」との連携企画として開催されます。ご入場には、同芸術祭のパスポートのご提示が必要です。

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【第一回 前橋国際芸術祭 2026】
会期: 2026年9月19日(土) – 12月20日(日)
会場: 前橋市内
開場時間: 10:00 – 18:00(最終入場17:30)
閉場日: 期間中の水曜日
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※一部のパブリックアートなどは、いつでもご覧いただけます。
※会場により閉場日が異なる場合があります。詳しくは作品ごとの公開日をご確認ください。

大野陽生は1992年埼玉県生まれ、現在東京都を拠点に活動。2017年に武蔵野美術大学大学院修士課程造形研究科美術専攻彫刻コースを修了。主な個展として、「サーブ」富士見台トンネル(東京、2023年)、「石工的」WALLA(東京、2022年)、横浜市民ギャラリーあざみ野 (神奈川、2020年)、「NEIGHBOR」代田橋納戸 / gallery DEN5(東京、2018年)、「HOAX」東京造形大学 mime(2017年)など。主なグループ展に、「Figround — 図と地」Tokyo International Gallery(東京、2026年)、「群馬青年ビエンナーレ2025」群馬県立近代美術館(2025年)、「MIMOCA EYE 2022」猪熊弦一郎現代美術館(香川、2022年)、「助教・助手展2021 武蔵野美術大学 助教・助手研究発表」武蔵野美術大学 美術館(東京、2021年)、金沢彫刻祭2019「別人」芸宿(石川、2019年)、「彫刻と対話法Ⅱ <作家>から見た世界」府中市美術館 市民ギャラリー(東京、2016年)など。

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