EXHIBITIONS

アダム・ペンドルトン 「Notice Everything」

会期: 2026年11月5日(木) – 12月19日(土)
会場: タカ・イシイギャラリー 京都
オープニング・レセプション: 11月5日(木)15:30 – 17:30

タカ・イシイギャラリー 京都は、アダム・ペンドルトンの日本初個展「Notice Everything(すべてに気づく) 」を開催いたします。本展では、新作の絵画、ドローイング、陶作品を厳選して展示いたします。それぞれ性質の異なる作品群において、ペンドルトンは色彩、ジェスチャー、断片、形態を用い、異なる制作プロセスや素材からいかに新たな視覚的可能性が生まれ得るかを探究しています。

本展では、これまでで最大サイズとなる「Composition」の絵画作品を展示いたします。紙に水彩で描いたジェスチャーを出発点に、ペンドルトンはその痕跡を記録し、スクリーンプリントの工程を通じて変換することで、即時的で流動的なものを、鮮やかな色彩が幾層にも重なるカンヴァス作品へと変容させています。深い青、紫、赤が重なり合い、混じり合うことで、思いがけない色彩の関係と、その隙間に生まれる色の領域が現れます。色彩を固定された要素、あるいは純粋に表現的な要素として捉えるのではなく、ペンドルトンは色と色の関係性に着目します。ひとつの色が別の色に作用し、画面全体にわたって知覚の変化を生み出します。

ペンドルトンの新作陶作品は、素材とスケールを通じてこの探究をさらに展開します。豊かに釉薬が施された黒い地は、ときにほとんど消え去るかのように見えるほど深く、その上に簡潔な幾何学的構成が宙に浮かぶように配されています。ここでは、陶芸の伝統と技法が、表面、地、色彩、輪郭、形態と画面の関係といった絵画の問題意識から捉えられています。作品は物体とイメージの間を往還し、粘土と釉薬の物質的性質が、一見簡潔にみえる構成に複雑さをもたらします。

わずか6 x 6インチ(15.2 x 15.2 cm)、あるいは12 x 12インチ(30.5 x 30.5 cm)の「Days」のドローイングは、陶作品とは明らかに異なる様相を見せます。その親密なスケールは、痕跡を残す行為、ジェスチャー、色彩をめぐるペンドルトンの継続的な探究を、小さくも広がりのある視覚の場へと凝縮しています。それぞれのドローイングには、記され、中断され、重ねられ、あるいは開かれたまま残された痕跡という、一連の判断が記録されています。個々の作品として、また互いの関係の中で見るとき、それらは密度、リズム、形態のわずかな差異への持続的な注意を促します。

「Notice Everything」に出品される作品群は全体として、絵画の形式的、歴史的、概念的な可能性をめぐるペンドルトンの持続的な取り組みを示しています。写真、スクリーンプリント、ドローイング、水彩、陶芸は、それぞれ独立したメディウムや領域としてではなく、互いに作用し合い、変容させ合うプロセスとして扱われます。ペンドルトンは手作業と機械的工程、即時性と熟考の間を往還し、その変換のたびに予期せぬものが生まれる余地を開いています。

展覧会タイトルは、制作と鑑賞の双方に向けられたひとつの姿勢を示唆しています。すべてに気づくとは、すべてを一度に把握することではなく、現れてくるものに注意を向け続けることです。ある色が別の色に対して見せる変化、複製された後に残るジェスチャーの痕跡、黒い表面の深さの変化、あるいはささやかな痕跡が場を組み替えうるあり方に目を凝らすことでもあります。絵画、ドローイング、陶作品を通して、「Notice Everything」は注意を向けるという行為そのものを、新たなものを生み出す行為として提示します。それは、作品がどのようなものになり得るのか、そして鑑賞者がその中に何を見いだし得るのかを絶えず更新していく行為です。

アダム・ペンドルトン(1984年米国バージニア州リッチモンド生まれ)は、現代美術を代表する作家の一人。画家として高い評価を得るペンドルトンは、制作プロセス、言語、形態への持続的な取り組みを通じて、絵画というメディウムの境界を押し広げている。黒いジェッソを施した地に2色または3色で構成されることの多い絵画は、20世紀から21世紀にかけて展開された抽象表現に根ざす、非線形的な構成の系譜を拡張している。ジェスチャー、断片、形態を凝縮して重ね合わせた作品には、コンセプチュアル・アートやミニマル・アートを想起させる精密さとともに、自由で表現主義的、実験的な衝動が見られる。2008年には、ブラック・ダダとして制作方法を定義し始め、現在ではそれによって広く知られている。ブラック・ダダとは、ブラックネス(黒人性)、抽象、そして複数の歴史的アヴァンギャルドの関係を探究するための批評的枠組みを指す。

2024年にアメリカ芸術・文学アカデミーからローゼンタール財団絵画賞を授与。近年の主な個展に、「Adam Pendleton: Some Wild Kind of Language」アムステルダム市立美術館(2026-2027年)、「Adam Pendleton: Can I Be?」ランゲン財団美術館(ノイス、2026年)、「Adam Pendleton: Love, Queen」ハーシュホーン博物館と彫刻の庭(ワシントンD.C.、2025–2027年)、「Adam Pendleton: Blackness, White, and Light」ルートヴィヒ財団近代美術館(ウィーン、2023–2024年)、「Adam Pendleton: To Divide By」ミルドレッド・レーン・ケンパー美術館(セントルイス、2023–2024年)、「ホイットニー・ビエンナーレ2022」ホイットニー美術館(ニューヨーク、2022年)、「Adam Pendleton: These Things We’ve Done Together」モントリオール美術館(2022年)、「Adam Pendleton: Who Is Queen?」ニューヨーク近代美術館(2021–2022年)など。ペンドルトンの作品は、ニューヨーク近代美術館、グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ホイットニー美術館(ニューヨーク)、ハーレム・スタジオ美術館(ニューヨーク)、カーネギー美術館(ピッツバーグ)、シカゴ現代美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、サンディエゴ現代美術館、バージニア美術館(リッチモンド)、モントリオール美術館、カナダ国立美術館(オタワ)、テート・モダン(ロンドン)、ピナコテーク・デア・モデルネ(ミュンヘン)などに収蔵されている。

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