EXHIBITIONS
山下紘加 「白気 White Veils」
会期: 2026年5月16日(土) – 6月20日(土)
会場: タカ・イシイギャラリー 六本木、京橋
オープニング・レセプション: 5月16日(土)17:00 – 19:00(六本木)
タカ・イシイギャラリーは、5月16日(土)から6月20日(土)まで、山下紘加の個展「白気 White Veils」を六本木と京橋にて開催いたします。タカ・イシイギャラリーでは2年半ぶり2回目の個展となる本展では、最新作の絵画作品18点を発表いたします。
「実体のないものが何か形を借りて現れる。」 …霧、湯気、お香の煙や吹雪…日々の中で目にするこの白い気体が、どこからか現れて、形を変えながら動き、やがて消えていく、生き物のように見えます。 白気は私たちが見ている世界を覆うヴェールでありながら、同時にその向こうにあるものの気配を立ち上げているようです。それが大きく動いて、人間では計り知れない大きな存在や歴史に触れているような感覚…。それは日常に眠っている土地の記憶や自然からのインスピレーションで、決して全体像を掴むことはできないけれど、私はその片鱗の目撃者として、あるいは媒介者として、その気配を絵の中にとどめたいと思います。
2026年4月 山下紘加
本展は2024年から取り組み始めた神楽の演目と神事を題材にした作品や、古典的な雪景や水辺をモチーフとした様々な物語を有する作品で構成されます。色彩においては、神性の象徴とされてきた白や、日本古代の基本色である鮮やかな赤や重い黒が新たにパレットに加わったことで、身近なありふれた空間がどこか際立つ異質な存在として、色彩そのものが他の要素と作用しあたかも境界を示すような役割をはたしています。山下の実践は日本の神話や伝統的なアニミズムの思想に深く根差し、古くから代々受け継がれてきた物語や作家自ら地域の行事に参加した実体験を基にして、浮世絵や木版画を想起させる大胆な構図でキャンバスに繊細でありながらも伸びやかに構築していきます。山下の特徴のある具象性のひとつである画面に登場する人物は時としてその描かれた風景や場面から立ち上がり現れるといいます。その制作過程は、神秘的な白気の移ろいゆく様とよく似ていて、絵画特有の身体性と想像の境界を行き来しながら表現されていきます。山下が描く優美な造形はまぎれもなくその豊かな精神性と感受性が支えとなり、作家が新たに出会う目の前に広がる風景や物語を不思議な気配とともに独自の絵画空間として展開していきます。
山下紘加は1991年兵庫県生まれ。2009年単身渡米、2017年スクール・オブ・ビジュアル・アーツ(ニューヨーク)で学士号を取得し、2019年ラトガース大学メイソングロス芸術大学(ニュージャージー・ニューブランズウィック)で修士号を取得。帰国後は岡山を拠点に活動し、アメリカ、ドイツ、香港、台湾、日本など各地で個展を開催。2022年、ドイツFürstenberg Zeitgenoessischのレジデンシーにて滞在制作を行う。近年の個展に「project N 84」東京オペラシティアートギャラリー(東京、2021年)など、「YES YOU CAN: The Strength of Life through Art」WHAT MUSEUM(東京、2022年)をはじめとするグループ展にも参加。



