EXHIBITIONS
奥山由之「photographs」
会期: 2026年5月15日(金) – 6月13日(土)
会場: タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム
タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルムは、5月15日(金)から6月13日(土)まで奥山由之の個展「photographs」を開催いたします。本展では、奥山の家族アルバムをもとに制作された同名の写真作品シリーズから、約28点を発表いたします。
かつて奥山の祖父母や父が暮らし、現在は彼自身がアトリエとして使用している邸宅で百冊を超える家族アルバムが見つかったことが本作の構想の起点となっています。奥山はアルバムのページをめくるうちに、そこに写る先代の選択によって継承されている生命の連続性や、同時に立ち上がる倫理的規範について思索したといいます。またそこでは彼らの人生を「家族」という共同体や枠組みの中で捉えうる一方、家族の役割を与えられる前の「個」としての存在にも気づかされます。
奥山の手によって編集されて完成した『photographs』の作品群は、元のアルバム写真に写っていた人物を光のように解放しています。そこに生じる余白は見る者の想像を掻き立て、ある特定の個人的な家族アルバムであったものは、見る者それぞれのアルバム、そして普遍的に共有されうるものへと昇華されています。
…希望に向かって解放される光の手触りが、顔や輪郭の固有性をゆるやかに溶かし、それは「誰か」でありながら、やがて写真を見る私たちの輪郭とも静かに重なり合っていく。その揺らぎの中で、「個」としての存在はあらためて問い直される。
2026年3月 奥山由之(本展ステートメントより抜粋)
自分自身へと続く継承の歴史に対する敬意や感慨の念、そして個人としての選択や暗黙の規範、そのような「継承と自律」のあいだに横たわる緊張感を引き受ける奥山の『photographs』は、時を隔てた人々や自身との対話を生み出します。
本展の開催に合わせ、下記の作品集が刊行されます。
【新刊情報】
奥山由之『photographs』
赤々舎刊
販売価格:通常版 ¥7,700-(税込)、特別限定版 ¥16,500-(500部限定、サイン・エディション入り)
奥山由之は1991年東京生まれ。2009年から写真作品の制作を開始し、2011年に第34回写真新世紀優秀賞を受賞してデビュー。以降、具象と抽象といった相反する要素の混在や矛盾などを主なテーマに作品制作を続けている。2016年には『BACON ICE CREAM』(Parco Publishing刊、2015年)で第47回講談社出版文化賞写真賞を受賞。主な写真集に、『Girl』(PLANCTON刊、2012年)、『君の住む街』(SPACE SHOWER BOOKS刊、2017年)、『As the Call, So the Echo』(赤々舎刊、2017年)、『POCARI SWEAT』(青幻舎刊、2018年)、『Los Angeles / San Francisco』(Union publishing刊、2018年)、『The Good Side』(Editions Bessard刊、2020年)、『flowers』(赤々舎刊、2021年)、『台湾版: BACON ICE CREAM』(原點出版刊、2021年)、『Ton! Tan! Pan! Don!』(bookshop M刊、2021年)、『BEST BEFORE』(青幻舎刊、2022年)、『windows』(赤々舎刊、2023年)など。主な個展に、「Girl」Raum1F(東京、2012年)、「BACON ICE CREAM」パルコミュージアム(東京、2016年)、「THE NEW STORY」POST(東京、2016年)、「As the Call, So the Echo」Gallery916(東京、2017年)、「君の住む街」表参道ヒルズ スペースオー(東京、2017年)、「白い光」キヤノンギャラリーS(東京、2019年)、「windows」amanaTIGP(東京、2023年)、「flowers」PURPLE(京都、2023年)など。また、映画監督作に『アット・ザ・ベンチ』(2024年)、『秒速5センチメートル』(2025年)がある。



