EXHIBITIONS

大野晶「Some Surfaces」

会期: 2025年11月2日(日) – 12月7日(日)
会場: タカ・イシイギャラリー 前橋
オープニング・レセプション: 11月2日(日)16:00 – 18:00

タカ・イシイギャラリー 前橋は11月2日(日)から12月7日(日)まで、大野晶の個展「Some Surfaces」を開催いたします。当ギャラリーで初の個展となる本展では、2016年から大野が継続して制作している土粘土作品のシリーズ「Object for Painting」より新作約15点、それ以前から取り組むモノタイプのシリーズ「On a Still Surface」より新作約10点を発表いたします。

「Object for Painting」は、板状の粘土の表面に造形を施した立体作品のシリーズです。丸める、剥がす、押しつぶすなどの動作から表面に残される痕跡(マーク)は、加えられた力の作用を触覚的に喚起します。これまでは自立型の作品を中心に発表してきた大野ですが、本展においてはその形式の枠を超えるように壁掛け型の作品に主軸を置きます。これにより、一つの平らな表面へ向かう意識は、さらに物体が湾曲したり折り重なったりすることで立ち現れる半立体的な構造意識へと展開しています。

絵画や彫刻に限らず地球上に存在するさまざまな「表面」の要素について思索する大野は、粘土自体の持つテクスチャーや、粘土をこねたりその表面を観察したりする中で生まれる偶然に反応するように塑するといいます。身体を通した素材とのやりとりは、地球上のあらゆる物質が、風や水の流れ、時間の流れ、さらには人間の営みによって絶えず形を変え続けても、その総量は変わらずただ循環していること、そして自身もまたその循環の中に取り込まれていることについても想起させると語ります。

「On a Still Surface」は、作家が長期的に取り組んでいるモノタイプの作品シリーズです。制作に用いるガラス板の表面、そこに描画されるインクの表面、さらに摺りとる紙の表面を考えるとき、ここでもまた「表面」と「物質の移動」との関係が作家の関心事として浮かび上がってきます。

ものごとの表面に観察されるさまざまな事象が、大野の作品には反映されています。絵画のあり方に対し独自の視覚言語で応答する作家の新作をぜひご高覧ください。

大野晶は1990年ドイツ リューネブルク生まれ、東京都在住。2014年多摩美術大学油画科卒業。
主な個展に、「disassemble」Yonkai-Kanazawa(石川、2024年)、「Object For Painting No. 72-96」ADZ(リスボン、2022年)、「Object For Painting」XYZcollective(東京、2020年)など。近年のグループ展に「ちょっとだけ~ Sculpture As Place」The Green Gallery(ミルウォーキー、2025年)、「On a very quiet morning, on the same piece of toast」Adams and Ollman(ポートランド、2025年)、「VOCA展 2025」上野の森美術館(東京、2025年)、「Chronicle (2.5) DIMENSIONS / culterim」Backshop(ベルリン、2024年)、「leafmold paradise」Union Pacific(ロンドン、2024年)など。

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