EXHIBITIONS
「Affinités」
会期: 2024年9月14日(土) – 10月19日(土)
会場: タカ・イシイギャラリー 京都
参加デザイナー: ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアン、ジャン・プルーヴェ
オープニング・レセプション: 9月14日(土)16:00 – 18:00
タカ・イシイギャラリー 京都は、Jousse Entreprise協力のもと、ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアン、そしてジャン・プルーヴェのデザインによる家具の展覧会「Affinités(アフィニテ)」を開催いたします。展覧会タイトルのフランス語「Affinités」は「親和性」「親密さ」などを意味し、フランスと日本の関係性やこれらのデザイナー同士の友情を表しています。
当時100%伝統的だった日本で、私は「空(くう)」を発見しました。空の力、空の宗教、それは無ではありません。彼らにとって、空は動きの可能性を秘めたものです。空虚には全てが含まれています。
シャルロット・ペリアン
France Cultureの番組「Mémoires du siècle」でのインタビューにて、1997年
4人の巨匠たちの創造的な関係は、ビジネスの枠を超え、お互いの尊敬の念、共有する理想、そしてデザインの未来に対する共通のビジョンに根ざしていました。彼らは建築と家具デザインの両分野で可能性の限界を押し広げ、最終的には20世紀の建築とデザインの様相を総体的に再定義しました。同時に、4人のデザイナーおよび建築家はそれぞれ異なる形で日本と関わりを持ち、戦後日本の重要な時期に、日本と西洋デザインの架け橋として歴史に刻まれました。ル・コルビュジエとジャンヌレの思想は、前川國男、坂倉準三、吉阪隆正といった日本人建築家に引き継がれました。さらに、日本におけるモダニズム運動もまた、ペリアンが伝統的な日本の職人技を取り入れたことや、プルーヴェの美学、たとえばミニマリズムや「用の美」といった要素から影響を受けており、これらは日本の伝統工芸にも見られます。
本展では、個人あるいは共同でデザインされた、4人の巨匠による代表的な家具が厳選され、150年の歴史を有する町屋に繊細に配置されます。これらのデザイナーによる主要な作品は、過去10年でますます貴重なものとなっています。例を挙げると、プルーヴェとペリアンが共同で手掛けた「Separation from Africa」は、コンゴのブラザヴィルにあるエールフランスビルの内装のためにデザインされたものです。また、ル・コルビュジエとジャンヌレは、インドのチャンディーガルの都市計画を総合的に手掛け、市内で容易に手に入れることのできるチーク材を使用した家具もデザインしましたが、インド政府は現在これらの家具の輸出を制限しています。さらにペリアン、ル・コルビュジエ、ジャンヌレが1929年にデザインした有名なトーネットチェア「Siège à Dossier Basculan」(モデルB 301)も展示されます。それぞれのデザイナーは、素材や形態、そしてミニマリストなデザインを通じて親和性を保ちながら、独自の作品を発展させました。
これらの巨匠たちが生み出した豊かな創造的対話を浮き彫りにし、文化の境界を越えた世界へといざなう本展をぜひご高覧ください。
Jousse Entrepriseは、1989年にPhilippe Jousseによってパリに設立され、20世紀のデザインとアートとしたギャラリー。戦後の家具デザインへの深い情熱に駆られたJousseは、ジャン・プルーヴェ、シャルロット・ペリアン、アレクサンドル・ノル、ジャン・ロワイエ、マシュー・マテゴ、ピエール・ジャンヌレ、ジョルジュ・ジューヴ、セルジュ・ムイユといった、モダニズムを再解釈したアーティストたちを積極的に紹介。特に1987年にはペリアンの初の回顧展を開催し、彼女の作品を広く知らしめる。Jousseのキュレーションのもと、モダニズムと現代デザインおよびアートとのつながりを探求している。