EXHIBITIONS

山下紘加 「玄」

会期: 2023年12月2日(土) – 28日(木)
会場: タカ・イシイギャラリー(complex665)
オープニング・レセプション: 12月2日(土) 18:00 – 20:00

タカ・イシイギャラリーは、12月2日(土)から12月28日(木)まで、山下紘加の個展「玄」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでは2020年にグループ展に参加、初個展となる本展では、最新作の絵画作品14点を発表いたします。

岩の冷たさ、土の柔らかさ、月と雲で移ろう夜の姿、様々な感触や音、懐かしい五感の記憶や振動する空気がこれまでより視覚的に現れるようになったと思います。 目に映る風景の中に、人間が知覚できない存在、誰かの記憶や念、土地そのものが持っている記憶も浮遊していて、絵を描いているときに自ずとそれらが何らかの形で顔を出すような気がします。日常でも数々の新しい発見があるように、誰か一人の一生では到底理解することができないようなこの世界を表すとき、私はそれを歓迎します。絵の中に得体の知れないものが出てきてもそこに留まらせてあげている感じです。それはいつか何か分かるかも知れませんし、分からなくてもいいからです。

2023年11月 山下紘加

本展「玄」では月の輪古墳をはじめとして、大山や島根の溶岩トンネルなど、作家が実際に訪れた場所での体験、その土地でその地域の人々から見聞した印象的な物語などからインスピレーションを得て作品を制作しています。自然の中で出会う生の感覚、人々に世代を超えて受け継がれていく物語、さらに郷土の資料やその地域の歴史を探求し、日本古来の自然と人とのつながりや精神性を画題に取り入れ独自の構図で構築しています。淡い色調から濃い静寂が感じられる色彩まで、繊細に薄く重ねられた層と筆致によって、空気感や気配をも現実味とともに表現されています。本展の展示作品にはさらに瞑想的な暗いパレットが加わることによって、それは深い闇から立ち上がる、どこか光を導く作品として、力強く神秘的に昇華されています。この機会に山下紘加の最新作をぜひご高覧ください。

山下紘加は1991年兵庫県生まれ。2009年単身渡米、2017年スクール・オブ・ビジュアル・アーツ(ニューヨーク)で学士号を取得し、2019年ラトガース大学メイソングロス芸術大学(ニュージャージー・ニューブランズウィック)で修士号を取得。帰国後は岡山を拠点に活動し、アメリカ、ドイツ、香港、台湾、日本など各地で個展を開催。2022年、ドイツFürstenberg Zeitgenoessischのレジデンシーにて滞在制作を行う。近年の個展に「project N 84」東京オペラシティアートギャラリー(東京、2021年)など、「YES YOU CAN: The Strength of Life through Art」WHAT MUSEUM(東京、2022年)をはじめとするグループ展にも参加。

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