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ヤン・ゲルストバーガー

Yann Gerstberger, “Gunboat 69”, 2021, mix of cotton and polyester yarn dyed with synthetic and natural dyes then glued and sewn onto canvas, 265 x 221 cm © Yann Gerstberger / Photo: Kenji Takahashi

ヤン・ゲルストバーガーは1983年フランス南東部カーニュ‐シュルメール生まれ。現在メキシコシティを拠点に活動。2005年に美術学士を取得後 、フランスのマルセイユ美術大学で美術を学び、2007 年に修士号を取得。ポップカルチャーや美術史からのモチーフのほか、家族や友人との旅行で見つけた自然の風景あるいは地理的な形態からインスピレーションを受け 、ゲルストバーガーは綿、ビニール製のバナー、商業用染料 、コチニール染料や糊を使用して、グラフィティ・ペインティング、またはタペストリーとペインティングの中間地点と自身で表現する 色鮮やかな作品を作り出します。グラフィティ用のスプレーやメキシコで使用されるモップの糸を自身で染めたものなど一般的な素材をメディウムとして取り入れることで、より実験的で自由な制作を行っています。ゲルストバーガーの作品は幅広いリファレンスからの影響を受けており、アレハンドロ・ホドロフスキーによるコミックブック『 The Panic Fables』 、ヨーロッパからみた熱帯地への幻想、グラフィティ、抽象美術史の多義的で神秘的な形態を引用しています。作品を通して 、メキシコの伝統的な技法と大量消費を象徴する製品などからのモチーフとが複雑に融合しているのを見てとれるでしょう。

Museo Tamayo(メキシコシティ、2020年)、Museo MATE(リマ、2019年)、オーストラリア現代美術センター(メルボルン、2018年)、MO.CO.(モンペリエ、2016-17年)、パリ市立近代美術館(2013年)などで作品を展示。近年のプロジェクトに、Museo MATE、NGVトリエンナーレIan Potter Center会場(メルボルン、2020-21年)での「A Mangrove at Dusk」など。作品は Fond s national d’art contemporain(パリ)、Kamel Lazaar Foundation(ロンドン、チュニス 、ビクトリア国立美術館(メルボルン)、ペレス美術館(マイアミ)などに収蔵されている。

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