EXHIBITIONS

奥山由之 「windows」

会期: 2023年6月10日(土) – 7月8日(土) 
会場: amanaTIGP
*6月10日(土)のみ12:00 – 17:00営業

amanaTIGPは6月10日(土)から7月8日(土)まで、奥山由之の個展「windows」を開催いたします。自身4年ぶり、amanaTIGPでは初めての個展となる本展では、東京の住宅の不透明な窓のみを捉えた写真群から約25点を展示いたします。本写真群は約10万枚という膨大な作品数から構成されており、コロナ禍の2020年4月から2022年11月の間、2年半にわたって撮影されました。

奥山は2011年のデビュー以降自身の作品制作を継続的に行っており、2020年発表の「flowers」では祖母と自身、2つの視点にカメラを憑依させ、花を媒介として亡き祖母との対話を試みました。本作「windows」は「flowers」に続いて“人以外の被写体を通して人を描く”3部作の2作目にあたります。あらゆる事象に付随する矛盾や多面性に創作のテーマを据え、切り取られた瞬間の前後に揺らめく数多の可能性に写真の本質をみた作家独自の視覚表現は、撮影目的に拘わらずどの作品群にも通底しています。

東京は世界有数の住宅過密地区であり、そのひとつひとつを眺めてみると、多くの窓がすりガラスや型版ガラス、フロストガラスと呼ばれる類の不透明なガラス窓であることに気がつきます。垂直水平なスクリーンに映しだされる光景は、閉ざされた内なる空間に外の景色を伝える風景画となり、また同時に外側の世界にとっては、無機質で四角い枠の奥に住まう人々の生活を描く一種の肖像画にもなり得ます。不透明なガラス越しにのぞく日用品や雑多なものの数々は抽象化され、そして抽象的であるがゆえに、そこに息づく人々の生活は情報化・言語化されることのない不安定なうねりとなり、見知らぬ誰かの内面を投影しているようにすら感じられるのです。

 入り組んだ文化のレイヤーを持ち、建物がひしめき合う東京において、ある種のシンボルとも言える不透明な窓に、私は人々の表情を見た。窓を見つめることは、見知らぬ誰かと見つめ合うことに等しいと感じた。
 この静かな視線の行き交いが、「東京」という街で生きる人々の肖像画になり得ることを、心から強く願っている。

奥山由之、「東京の人々」、『windows』、赤々舎、n.p.

屋内の環境を求めながらも屋外の恩恵にあやかりたいという人間の相反する欲望を満たした矛盾の産物ともいえる窓を、作家は「『人』ひとりひとりと『社会』をつなぐ“結節点”としての役割も担っているように思える」と言います。大きさや窓枠の幅(額幅)の異なる作品が点在する、小さくも混沌とした東京という街の様相を成形した疑似空間で、奥山作品の転換の過渡期ともいえる本展を是非ご高閲下さい。

本展の開催に合わせ、下記の作品集が刊行されます。

【新刊情報】
奥山由之『windows』
赤々舎刊、2023年6月上旬発売予定
販売価格:通常版 ¥11,000-(税込)/特別限定版 ¥19,800-(税込) *サイン入り、限定500部
先行予約受付中 通常版 特別限定版

奥山由之は1991年東京生まれ。2009年から写真作品の制作を開始し、2011年に第34回写真新世紀優秀賞を受賞してデビュー。以降、具象と抽象といった相反する要素の混在や矛盾などを主なテーマに作品制作を続けている。2016年には『BACON ICE CREAM』(Parco Publishing刊、2015年)で第47回講談社出版文化賞写真賞を受賞。主な写真集に、『Girl』(PLANCTON刊、2012年)、『君の住む街』(SPACE SHOWER BOOKS刊、2017年)、『As the Call, So the Echo』(赤々舎刊、2017年)、『POCARI SWEAT』(青幻舎刊、2018年)、『Los Angeles / San Francisco』(Union publishing刊、2018年)、『The Good Side』(Editions Bessard刊、2020年)、『flowers』(赤々舎刊、2021年)、『台湾版: BACON ICE CREAM』(原點出版刊、2021年)、『Ton! Tan! Pan! Don!』(bookshop M刊、2021年)、『BEST BEFORE』(青幻舎刊、2022年)など。主な個展に、「Girl」Raum1F(東京、2012年)、「BACON ICE CREAM」パルコミュージアム(東京、2016年)、「THE NEW STORY」POST(東京、2016年)、「As the Call, So the Echo」Gallery916(東京、2017年)、「君の住む街」表参道ヒルズ スペースオー(東京、2017年)、「白い光」キヤノンギャラリーS(東京、2019年)など。

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