EXHIBITIONS

石田尚志 「庭の外」

会期: 2022年10月15日(土) – 11月12日(土)
会場: タカ・イシイギャラリー (complex665)
オープニング・レセプション: 10月15日(土)18:00 – 20:00

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この度、タカ・イシイギャラリーは、石田尚志個展「庭の外」を開催致します。タカ・イシイギャラリーでの4年ぶりの個展となる本展では、作家が継続して向き合い続けている映像と絵画、絵画と彫刻、彫刻と映像と対峙し体験する時間が、あらたな空間構成によって探求されています。

2019年、雪深い国際芸術センター青森で、石田は4:3のMDF合板を糸鋸で即興的に切り抜く無数の立体物を制作しました。同展の様々な光を投げかけたインスタレーションは、作家にとってストラヴィンスキーの「春の祭典」におけるニジンスキーの振り付けの身体を想起させる経験だったと言います。今春、金沢21世紀美術館での公開制作においては、再度、立体物の制作と向き合いながら、制作する場所と時間を取り込んだアニメーションを制作しました。会期中に制作された「青い小さな家」は、『光庭』と呼ばれる光が降り注ぐガラスの展示室のサイズにあわせて組み立てられています。それは、共に平面である映像と絵画という、作家がながく取組んできた仕事の中に、あらためて物体そのものが作り出す時間の経験を組み込む試みとなりました。

庭にフェイジョアの木がある。はじめは小さかったが、あっという間に立派になった。この木からは、いつも四角形や丸の形を感じていた。地面近くの幹から不意に伸びる枝が、その形の運動を常にバランスよく支えていた。

ある日、新しい仕事のため、いつものように壁にパネルを用意しカメラを置いた。光に招かれるように何かを描きはじめようとして幾日か過ぎた時、絵ではなく、床に何かを置きはじめていた。やがてそれは木になった。外からの影響が、あるいは描かれなかった絵が、部屋を庭へと至らしめた。

 2年続いたこの作業の途中、庭の木の大切な枝は間違って切られてしまった。しかしちょうどその頃、部屋の中の新しい木の近くには、正方形の窓の小さな家が生まれていた。部屋の中に外のものが現れ、さらにそこに小さな部屋が出現する。わずかな時差があるような遁走と反復は内部へ向かいつつ、同時に庭の外へも続くようだ。

石田尚志(作家メモより)

本展で紹介する新作は、「燃える椅子」(2013年)、「正方形の窓」(2015年)、「光の落ちる場所」(2015年)、「絵と窓の間」(2018年)が制作された正方形が窓のある同じ空間で生み出された一方で、平面と立体、絵画と彫刻、映像と物、それぞれに対峙する経験がこれまでにない密度と新たな技法で表出されています。繰り返される一つの部屋での出来事、空間の変容は、天窓からの光と正方形の窓からの人工の光といった不自然な往還、壁と絵画といったテーマをさらに発展させたものです。本来屋外にあるべき一つの木が、不意に室内に生成する、生成させてしまうという衝動がもたらしたものだとも作家はいいます。

石田尚志は1972年東京生まれの画家/映像作家。多摩美術大学教授。線を一コマずつ描いては撮影するドローイング・アニメーションという手法を用いて、空間のなかに増殖する線や移動する点といった運動性を介入させ、空間の質をさまざまに変容させるインスタレーションを発表している。近年の主な展覧会として、「石田尚志展」沖縄県立博物館・美術館(2020年)、「弧上の光」国際芸術センター青森(2019年)、シャルジャ・ビエンナーレ13「Tamawuj」(2017年)、あいちトリエンナーレ(2016年)、茨城県北芸術祭(2016年)、「石田尚志 渦まく光  Billowing Light: ISHIDA Takashi」横浜美術館/沖縄県立博物館・美術館(2015年)、堂島リバービエンナーレ 「Little Water」(大阪、2013年)、「ダブル・ヴィジョン―日本現代美術展」モスクワ市近代美術館/ハイファ美術館群(2012年)、「MOTコレクション:サイレント・ナレーター それぞれのものがたり [特集展示] 石田尚志」東京都現代美術館(2011年)、「アーティスト・ファイル2010-現代の作家たち」国立新美術館(東京、2010年)、Mediations Biennale「Beyond Mediations」(ポズナン、2010年)など。2007年五島記念文化賞美術新人賞受賞。1999年「部屋/形態」が「イメージフォーラム・フェスティバル 1999」で特選を受賞。

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