EXHIBITIONS

ダミアン・ローブ 「Still」

会期: 2022年10月1日(土) – 11月5日(土)
会場: amanaTIGP
オープニング・レセプション: 10月1日(土)18:00 – 20:00

安心して作品をご覧いただけるよう様々な感染症対策を徹底しております。

amanaTIGPは10月1日(土)から11月5日(土)まで、ニューヨークを拠点に活動する米国人画家ダミアン・ローブの個展を開催いたします。本展では、作家初の試みとして写真作品13点を展示いたします。

ローブは映画の1シーンや自ら撮影した写真を基に、極めて写実的な具象絵画を描くことで知られています。撮影者の意識を追体験するような浅い被写体深度やカメラ特有のレンズフレア現象、映画のような画面の縦横比など、ローブの描くイメージには常にカメラのレンズが介在しています。

現代社会を覆い尽くす映像(動画・静止画)は、観客の関心を競い合う過程で特異な視覚言語を形成してきました。当初、ローブは映像の大海からこの言語濃度の高いイメージを収集していましたが、20年ほど前から自らカメラを手にして、何らかの文脈の存在を示唆する風景を敏感に察知し、外界から直接写真として切り取り始めます。

こうして集められた主題は、数ヶ月の時間をかけてキャンバスの上に油彩で描かれます。透明度の高い写真とは異なり、絵画には絵具のボリュームや僅かな筆跡、キャンバスの凹凸など、媒体固有の物質的抵抗が存在します。ローブが画面に残す僅かな痕跡は、前述の視覚言語が我々の潜在意識に作用することで想起させる、不安、希望、哀愁などの感情をより複雑なものへと変化させます。

本展覧会にてローブは、自身初の試みとして写真作品のみを展示いたします。パンデミックのさなか、展覧会の準備を進める中で作家が選んだ作品は、ニューヨークの自宅やハリウッドの風景など、自身に馴染みのある場所を撮影した写真です。媒体の抵抗が薄い写真というメディウムを選択することで、作品の重心はイメージへと移動します。また、カメラのレンズ特有の中立性が強調されることで、解釈の多様性が生まれます。本展覧会は、暗黙のうちに社会が広く共有している景色とその背景にある文脈、そして現代の映像文化を考察する機会となるでしょう。

【同時開催】
amanaTIGPから徒歩10分のタカ・イシイギャラリーのビューイングルーム(complex665 1F)にペインティング作品数点を展示いたします。
会期: 2022年10月1日(土) – 11月5日(土)*
会場: complex665 1階ビューイングルーム
*10月27日(木)は閉廊

ダミアン・ローブは1970年生まれ。現在ニューヨークを拠点に活動。アクアベラ・ギャラリーズとペース・ギャラリーが共同でローブをリプリゼントしている。近年ペース・ギャラリーのパロアルトでの個展のほか、ニューヨークのアクアベラ・ギャラリーズで4回の個展を開催。同ギャラリーのフリーズ・ニューヨークのブースにてソロプレゼンテーションを行っている。ホワイト・キューブ(ロンドン)、ヤブロンカ・ギャラリー(ケルン)、アルドリッチ現代美術館(リッジフィールド、コネティカット州、2006年)での回顧展など、国内外で多くの展覧会を開催している。

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