EXHIBITIONS

登山博文 「1, 2」

会期: 2022年4月23日(土) – 5月21日(土)
会場: タカ・イシイギャラリー(complex665)
オープニング・レセプション: 4月23日(土)17:00 – 20:00

安心して作品をご覧いただけるよう様々な感染症対策を徹底しております。

タカ・イシイギャラリーは、4月23日から5月21日まで、登山博文の個展「1, 2」展を開催いたします。本展では、昨年11月に鬼籍に入った登山が最後に描いた2点組の新作ペインティング「1, 2」と共に、この新作に至るまでの思考をたどる試みとして、2017年以降に描かれたペインティング作品約5点を展示いたします。

登山はこれまで、コンポジション、色彩、マチエールなどの造形要素や、矩形の木枠や画布、絵具といった絵画の形式を作り出す素材、あるいは描き方や描く順序などを手がかりに、絵画の生成過程そのものに向き合ってきました。それら諸要素を還元的に扱い、絵画が絵画として成立する端緒に関わろうとする登山の制作姿勢は厳格な論理に基づいており、近年その作品の構成要素は限界まで整えられつつありました。

かねてから深慮を重ねてきた余白は、構図のみならず、地と図の関係や画布・絵具そのもの、またマチエールにも関わります。このような相関関係についてひとつひとつ検討し、それらを総合し再び解体するという繰り返しにより、登山の作品は時折大きな変化を経ながら展開してきました。ひとつのスタイルに固執することなく、まだ見ぬ絵画空間を追及した作品はおおらかさを湛え、還元的であることが絵画の豊かさを否定するものではないことを教えてくれます。

本展にて展示される新作「1, 2」は、本来5色の2点組、計10点を同時に展示すべく構想されたシリーズの一部です。長らく描画材として使用されていた工業系塗料は油彩へと回帰し、これまで取り組んできた絵画要素個々に対する探究はほぼ一元化され、平行する筆の動きの弛みない持続が、作家の求める色彩やマチエール、強靭な平面性、光を湛えた絵画空間を一挙に生み出しています。

組作品についての登山の試みは、2017年に組となるタブロー同士の関係を探ることから始まり、今回タブロー間の距離を思考するに至りました。「1, 2」では2点間の距離は可変とされており、2点組5色10点のタブローが散り散りに展示された空間を、鑑賞者がめぐる計画でした。これら組作品は互いが見えない距離にあってもひとつの絵であると作家は語っています。たとえ見ることはできずとも、ほぼ等質のもうひとつの存在を知っていることで、作品を見るという経験、そして作品の存在そのものについての意識は大きく揺るがされることになるでしょう。

1967年福岡県生まれ。1997年愛知県立芸術大学大学院美術研究科修了。線や面、色彩、さらには描き方や描く順序など、画面を構成するさまざま要素を純化させることで成立する絵画を一貫して追求。限りなく少ない関数へ還元されたその作品は、同時に多様な解釈を許容する寛容さを備える。「引込線2013」旧所沢市立第2学校給食センター(2013年)、「あいちトリエンナーレ」(名古屋、2010年)、「放課後のはらっぱ 櫃田伸也とその教え子たち」愛知県美術館・名古屋市美術館(2009年)などに参加。

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