EXHIBITIONS

法貴信也

会期:2010年4月3日(土) – 4月28日(水)
オープニング・レセプション:4月3日(土)18:00 – 20:00

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タカ・イシイギャラリーは4月3日(土)より4月28日(水)まで、法貴信也の個展を開催いたします。法貴は1966年に京都に生まれ、京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻終了後、京都を拠点に制作活動を続けています。主なグループ展として、森美術館「六本木クロッシング;日本美術の新しい展望2004」展(東京、2004年)、国立国際美術館「絵画の庭-ゼロ年代日本の地平から」展(大阪、2010年)に参加し、今年4月にはサントリーミュージアム天保山「レゾナンス 人と響き合うアート」展(大阪)への参加が予定されています。

法貴信也の絵画は一見したところでは何の変哲もない線描表現で成立しているように見えるだろう。しかしながら法貴作品を僅かでも注視すれば、彼の描く線の多くが平行した二本の線によって成り立っていることに誰もが気づくだろう。この表現方法は法貴自身によって「二本画」と呼ばれている。・・・それはあるイメージを描きながらも、その画像に付与した象徴的な意味を完全に排除するという無謀な、しかし ながら未だ絵画史に於いて実現されていない(と法貴が信じた)試みであった。・・・法貴のこのような果敢なる取り組みが見事に結実した際には、彼の「二本画」は、本当の日本の絵画、要するに「日本画」として成立するであろう。

中井康之「絵画の庭-ゼロ年代日本の地平から」図録 p.78(国立国際美術館刊、2010年)より引用

タカ・イシイギャラリー京都のこけら落とし個展(2008年)に続く2回目の個展となる今回、パネル地に描いた油彩作品群及び、人の顔の新しい「面」での捉え方を試みたポートレイト作品と、作家が「地またぎ」と呼称する、地(紙)の色に対して明度の高い色と低い色を用いた二本画作品の、2種類のドローイング作品群を発表いたします。
ある1つの色を補色関係にある2色(例えば黒を赤と青)に分割し、繊細な軌跡を描きながら併走させることにより生まれる斬新な立体・奥行き表現(「単層の多層化」)により、法貴は従来の表現方法にとらわれない、絵画の新たの可能性を模索していまいりました。 日本画(二本画)の新たな境地を探る法貴の、緻密な試行の末に生まれた最新作を是非ご高覧ください。