EXHIBITIONS
荒木経惟 「69猥景」
会期:2009年5月25日(月) – 6月20日(土)
オープニング・レセプション:5月25日(月)16:30 – 18:30
タカ・イシイギャラリーでは、5月25日(月)から6月20日(土)まで、荒木経惟個展「69猥景」を開催いたします。69歳の誕生日に際し行われる本展では、6 x 9判にて撮影したモノクローム・プリントによる最新作品を発表いたします。
「69のカメラで撮るとすべて猥褻になっちゃう。俺のせいじゃない。カメラのせいだ。(中略)アートに溺れてるね、写真家たちをぶったたくつうようなことでやるんだ。今回は。俺は言うんだけどさ、写真を撮ることにおいてアート志向とか、そういうのなしに、写真の方がいいんだよ。」
荒木 経惟
エロス(性/生)とタナトゥス(死)をテーマに作品を発表し続けてきた荒木経惟は、写真とは「説明できそうな近場との関係性」だと語り、自身と被写体との関係こそが重要であり、第三者に対する意識の介在は不要であると述べています。
今回荒木はあえてモノクローム・フィルムを用いることにより、自身の写真に対する信念を凝縮することに専念しており、その姿勢はまるで自戒の念を込めているかのようです。
荒木の写真への思いが結実した今回の作品には、荒木の被写体への愛情と、被写体である女性や、花や、空が、荒木の愛に負けない愛を返そうとする、濃密な感情の交差が静かに香ります。
「天才写真家」としての不動の地位を確立しながらも、写真表現の可能性を追い求める荒木の欲望が満たされることはありません。