EXHIBITIONS

佐伯洋江

会期:2007年12月22日(土) – 2008年1月26日(土)
オープニングレセプション: 12月22日(土)17:00 – 20:00

タカ・イシイギャラリーでは、2007年12月22日から2008年1月26日まで(冬季休廊:12月29日-1月7日)佐伯洋江展を開催致します。
佐伯洋江は1978年大阪に生まれ、現在は京都を拠点に制作を続けています。初期から一貫してケント紙にシャープペンシルや鉛筆で描いてきた佐伯の作品群は、この数年の間に150点を超え、その表現世界は花鳥風月など自然を連想させるモチーフから新たな展開を見せています。ギャラリーでは2回目の個展となる本展には、横幅が3メートルを超える4点組の大型作品が出品されるなど、ギャラリースペースの空間と呼応した大小様々な新作が並びます。

大きく残された余白と対峙されて、蓮や蝶、蜘蛛などの不思議な形態が繊細な筆致で描かれている様子は、一見、和の趣が漂う。しかし目を凝らして見れば、シャープペンシルの均一な芯から繰り出される端正な形状のリズムには、平面的な広がりを前提とするグラフィカルな印象が感じられる。そうした和の風情と自動記述的な(もしくは自己増殖的な)グラフィカルな広がりとのアンビバレントな併合は、画面上に生み出される奇妙な風物をオブセッショナルな密度で描いていく佐伯の意識と感覚によって、実は意外にもこれまで私たちが目にしたことのない独創的な表現へと転化されているように思える。
大島賛都 『現代美術の展望 VOCA展2006 – 新しい平面の作家たち』 2006年、pp.34-35 より引用

佐伯は2006年にVOCA奨励賞を受賞し、目黒区美術館で開催されたグループ展「線の迷宮<ラビリンス>II – 鉛筆と黒鉛の旋律」(2007年)、2008年3月には国立新美術館で開催予定の「アーティスト・ファイル」展へ参加するなど発表の場を広げています。
MOMA(ニューヨーク)、UBSアートコレクション(ロンドン)、Deutsche Bankアートコレクション(フランクフルト)などに作品が所蔵され、海外のアートフェアでも大きな注目を集めている佐伯の新作展を是非ご高覧くださいませ。初日の12月22日の17時より20時まで、作家を囲んでオープニング・レセプションを開催致します。ご多忙の折とは存じますが、皆様のお立ち寄りを心よりお待ち申し上げております。

佐伯洋江作品集刊行のお知らせ
S.O.L.(seeds of life)よりタイクーングラフィックスの宮師雄一氏デザインによる佐伯洋江作品集が出版されます。
タイトル:『HIROE SAEKI WORKS』出版:S.O.L.(seeds of life)
図版数:15点 サイズ:H 30.5 x W 41.4 cm ページ数:24p(12p蛇腹折表裏)