EXHIBITIONS
荒木経惟 「色淫女」
会期:2006年5月25日(木) – 6月17日(土)
タカ・イシイギャラリーでは、5月25日(木)から6月17日(土)まで、荒木経惟個展「色淫女」を開催致します。10回目の個展となる本展では、9点組の白黒写真上にカラー・ペインティングをほどこした作品19点による最新インスタレーションを発表致します。
「モノクロ写真になってしまった女を、淫したくなってカラー・ペインティング。」
荒木経惟
モノクロームのポートレイト写真に色を塗る。写真とペインティングの交錯によって、女性達を撮影する瞬間に封印されたエロスが、モノクロームの死の世界から再び浮遊し、立ち上る。荒木の写真は、消えてゆくものに対する強烈な愛着、それを素早く切り取って残したいという衝動のようなものが溢れている。色彩を与えられ、再生成された被写体の生命性は、写真が本質的なテーマとして語る壮絶なエロスとタナトスを連想させるのである。花そのものにリキテックスで色を塗り、撮影した「色情花」から始まり、風景や女体を撮影した印画紙に絵筆で色彩をほどこした「夏日記」、「色淫」を通過して、今、荒木は女性の体をキャンバスに、滴り落ちる絵具を重ねることによって、生の情動をさらに強烈に浮き上がらせていく。