EXHIBITIONS

クリストファー・ウール

会期:2004年11月26日(金) – 12月25日(土)

タカ・イシイギャラリーでは11月26日(金)から12月25日(土)までニューヨークを拠点として活躍するクリストファー・ウール展を開催致します。1955年生まれのウールは2004年にロンドンのCamden Arts Centreで、2002年から2003年にかけてダンディー(英)のDundee Contemporary Artsとディジョン(仏)のLe Consortium、そして2001年にはウィーンのSecessionを始めとする多くの個展を開いています。

“A street level vision of the world seems to permeate Wool’s work. This is partially attributable to the tension between accident and intention set up by his paintings, which cannot help but feel intrinsically urban…The spills and drips, smudges and smears that punctuate his paintings echo the degraded surroundings that appear through his vast photographic work East Broadway Breakdown…”
Katrina M. Brown, 2003

ウールの最近の作品はスプレーやローラーでペイントしたり、シミをつけるような着色方法で製作され、彼の以前の作品の一部や、現在製作中の別の作品からのイメージがカンヴァスにシルクスクリーンされることもあります。本来のイメージは、それとは意識される事なく新しいペインティング上で用いられています。一次的で、複製出来ないがゆえに価値があるペインティング、一方で写真は価値が劣り、二次的な存在という両者に対する認識は以前のペインティング作品のイメージが後の作品に使われることにより見事に覆されます。

彼の作品においてのペインティングと写真の明確なつながりは最近の展覧会や本に見る事が出来ます。例えばウィーンのSecession (2001)ではスタジオで壁に掛けられたり無造作に壁に寄り掛けられたペインティング作品を撮ったポラロイドのシリーズが展示されました。作品集 “Incident on 9th Street”は火事後の彼のスタジオを写真で記録しています。タカ・イシイギャラリーでは1997年以来2回目となる今回は新作のペインティングとニューヨークにあるウールのスタジオからすぐのthe Lower East SideからChinatownにかけての印象を捉えた160点のモノクロ・インクジェットプリントのシリーズ”East Broadway Breakdown(1994-95/2002)”が展示されます。

写真とペインティングという二つの異なる手段で独自の世界を表現するクリストファー・ウールの新作を是非御高覧下さいませ。