EXHIBITIONS

荒木経惟 「冬春」

会期:2004年9月10日(金) – 10月2日(土)

タカ・イシイギャラリーでは、9月10日(金)から10月2日(土)まで、荒木経惟の最新作「冬春」を展示・販売致します。

“今年は、乳がんで片乳房を失った歌人宮田美乃里との出会いからはじまった。春になっても、ずーっと冬だった。満開の桜の中の歌人に死を想ったからである。そんな冬春の日々のモノクロームなプリントを100点展示したい”
荒木経惟

“野に咲く花が自然に芽吹き、朽ちて散っていくように、ありのままを受け止めて生きていきたいと思うのです…普通の均整の取れた裸体ならば飽きるほどご覧になっておられることでしょう。けれども、私は、ちょうど枯れかけた花のように、片方の乳房がありません…そこには、私の人生があります”
「包茎亭日乗・完」から宮田美乃里

写真家が歌人を撮る。歌人はその時の余韻で詠んだ短歌で写真家に応える。写真家はそれを読み歌人のことを思いながら花の写真を撮る。この「冬春」は二人の相聞歌と言えるであろう。
自分の人生の一部としての死を抗うこと無く受け入れる宮田氏。そして儚さの中に彼女の凛とした輝きと強さを見出した荒木氏。一人の女性が見せる生と死、強さと弱さというコントラストが織り成す力強い作品をどうぞご高覧下さいませ。

荒木経惟の写真と宮田美乃里の短歌から構成される『乳房・花なり』
撮影:荒木経惟 発行:ワイズ出版 価格:3,990円(税込み)