EXHIBITIONS

小島一郎

会期: 2011年8月12日(金) – 9月17日(土)[夏季休廊 8月9日-29日 ただし8月12日,13日,19日,26日,27日のみ開廊]
会場: タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム(東京・六本木)

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タカ・イシイギャラリー フォトグラフィ―/フィルムとZEN FOTO GALLERYは、8月12日(金)から9月17日(土)まで、共同企画展「小島一郎」を開催いたします。本展では、小島の代表的な作品シリーズ「津軽」より合計30点ほどのモダンプリントを展示予定です。

小島(1924年/青森市生まれ)は、戦時に中国へ出征し、1946年故郷・青森に戻りました。その後いくつかの職を転々としながら、1954年に家業であった写真機店を手伝い始めるのと機を同じくして、地元のアマチュア写真家グループ(北陽会)に参加、本格的に写真の制作を始めました。1964年に40歳の若さで死去するまでの10年間という短い活動期間ながら、特筆すべき足跡を写真史に残しています。
本展にて展示される「津軽」は、写真家としての軌跡の最初期から、延べ4年以上にわたって撮影が続けられた作品で、小島の写真に見られる極めて特徴的なプリントテクニックも、「津軽」の撮影を通して磨かれたと言えます。

小島にとって、十三村に象徴される津軽の農村や漁村は、戦後の近代化の中で日々廃れてゆく憂愁に満ちた存在であった。その姿に復員後の「私自身」を重ね見た小島は、津軽を撮る必然性を、自らを廃墟の倦怠から救い出したあの津軽野での感動を再現すること、その一点に見出したのではあるまいか。小島にとってそれは、選び抜かれたアングル、計算しつくされた画面構成、そして暗室での絶妙な操作によって印画紙上に浮かび上がるものであった。(中略)自らを生へと引き上げた津軽野の自然と農民たちの姿を、その衝迫の強度のままに、印画紙へと移す/写す。それが小島の津軽での試行だったに違いない。

高橋しげみ「北を撮る―小島一郎論」『小島一郎写真集成』インスクリプト2009年 より抜粋

作品集の出版や展覧会の開催によって近年さらに注目を集めつつある小島一郎の作品を、この機会に是非ご高覧ください。

なお、ZEN FOTO GALLERY の会期は8月12日(金)-27日(土)まで、毎週金曜日・土曜日のみの開廊となりますので、ご注意ください。