EXHIBITIONS

山内道雄 「東京 2」

会期: 2018年11月17日(土) – 12月22日(土)
会場: タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム
オープニング・レセプション: 11月17日(土) 18:00 – 20:00

タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムは、11月17日(土)から12月22日(土)まで、山内道雄個展「東京 2」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーで2度目の個展となる本展では、山内がキャリアの最初期より取り組み、ライフワークとしてきた東京のスナップショットより、1980-90年代のモノクロ作品と2016-17年に撮影された新作のカラー作品を合わせ、約12点を展示いたします。

スナップショット(街歩き)

街を歩いていると、不思議なことだが、グッとくる瞬間に出会うことがある。人の表情や仕草、街やものの有様……。そんな場面に出会うと体(細胞)が勝手に反応してシャッターを切ることが多い。写真はとても簡単に写せる。安直といえば安直である。しかし、それは現実そのもののコピーなのだ。意味の主体は被写体の方にあり、そんな瞬間を受け止める気持ちでシャッターを切るようにしている。

また、興味や好奇心、感じたものを意のままに写せるのも愉しい。一日、さらに一日と撮り歩いているとやがて、生きがいにつながってゆくようなところがある。数枚ではわからないけれど多量に現れると、被写体に託して撮影者自身の生き方も自ずと反映されてゆく。

街歩きではビックリさせられる場面に遭遇することがある。眠っていた意識が不意打ちを食らって起こされたようで新鮮になれる。未知の自分に出会ったようでとても面白い。街には驚きが無限に潜んでいる。世界は予知できないことばかりで、人は自然の小さな一部にすぎないと感じてしまう。

2018年10月 山内道雄

1980年代初頭より、山内は一貫して人や街、そして時代を、光と影による写真表現を用いて捉えてきました。街をひたすらに歩き、現実の断片に対する自身の身体の感応をそのまま受け止めるようにシャッターを切る山内の撮影は、作家の考える写真の複写性――集積し、やがて歴史として形を成す純粋な記録のみに留まらず、街に潜む普遍的な真理をも写しとることができる唯一の表現としての可能性――をその基礎に置いています。写真家の生き様の表れである力強く緊張感のある写真群には、時や場所に呼応した変・不変の人や街の相貌と、そこに通底する万物の法則とも呼ぶべき世界の在り方と不思議に対する飽くなき探求の眼差しが見てとれます。

本展の開催と同時期に、作品集『東京2016-2017』が刊行されます。
【新刊情報】
山内道雄 『東京2016-2017』
蒼穹舎刊(2018年)
販売価格: ¥4,000-(税抜)
104頁、28 x 22.5 cm、0.45 kg

山内道雄は1950年愛知県生まれ。早稲田大学第二文学部(現、廃部)卒業。1980年、東京写真専門学校(現、東京ビジュアルアーツ)の夜間部に入学。1982年に同校を卒業、イメージショップCAMPに参加し、写真雑誌や自主ギャラリーを中心に写真の発表を精力的に行う。1992年以降、撮影範囲を東京だけではなく上海や香港、ダッカなど、アジアの主要都市へと広げ作品を制作。主な個展に「東京1983.2-1986.2」オリンパスギャラリー(東京、1986年)、「TOKYO、東京」銀座ニコンサロン(東京、2002年)、「CALCUTTA」コニカミノルタフォトプラザ(東京、2004年)、「東京2009.12.」サードディストリクトギャラリー(東京、2010年)、「香港1995-1997」ZEN FOTO GALLERY(東京、2016年)など。主な写真集に『人へ』(Place M刊、1992年)、『街』(蒼穹舎刊、1992年)、『東京2005-2007』(蒼穹舎刊、2008年)、『基隆』(グラフィカ編集室刊、2010年)など。主な受賞に第20回林忠彦賞(「基隆」にて、2011年)、第35回土門拳賞(「DHAKA 2」にて、2015年度)など。作品の主な収蔵先に東京都写真美術館(東京)、周南市美術博物館(山口)など。

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