EXHIBITIONS

SHIMURABROS. 「EICON」

会期:2009年6月19日(金) – 7月25日(土)

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タカ・イシイギャラリー 京都では、2009年6月19日(金)から7月25日(土)まで、 SHIMURABROS.の映像作品「EICON」シリーズを特別展示致します。

被写体に映画黎明期のスラップスティックを再現させ、それを最新のハイスピードカメラで撮影することで、映像表現における身体性の復権を提示した。(中略) ハイスピードカメラによる0.012秒の超日常的な世界は、好奇心を強く刺激すると同時に、スラップスティックの新たな魅力をも発見させてくれるだろう。

SHIMURABROS.

タカ・イシイギャラリー 京都は6月19日からはじまるクサナギシンペイ展と同時開催で、ギャラリー内のプロジェクト・スペースにて、『映像作家100人 2009』(BNN新社刊)に選ばれた若手注目アーティストSHIMURABROS.をご紹介致します。

SHIMURABROS.は、ユカ&ケンタロウによる姉弟ユニットです。姉のユカ(1976年横浜生まれ)は、2006年にイギリスのセントラル・セント・マーチンズ 大学院を卒業後、弟のケンタロウ(1979年横浜生まれ、2003年東京工芸大学映像学科卒)とともに、映画を創作のベースとして、メディアアートやインスタレーションなどの映像表現活動を行ってきました。

2008 年に制作された「EICON」シリーズは、チャップリンやバスター・キートンの喜劇で親しまれるスラップスティック・コメディ映画がベースとなっています。ずっこけたり、回ったり、ジャンプするなど、典型的なスラップスティックの4つの動作を取り上げたコンセプチュアルな映像作品です。「コメディでは 再生されない落としてしまったコマを、ハイスピードの撮影技法で拾い上げ再び構成しました。」と作家が語るように、本来は喜劇的な動きがコメディとしての要素を失い、SHIMURABROS.独特の美しさと静けさを湛えた世界へと昇華しています。

これまでにカンヌ国際映画祭やベルリン国際映画祭で作品上映をする一方、オリジナルの上映装置の開発、最新のCTスキャナーやハイスピードカメラを使用して撮影するなど、映像表現の固定概念を覆すインスタレーションを美術館やパブリック・プロジェクトで発表し、ジャンルを超えた幅広い活動を展開してきました。

2008-09年冬に行われた「アートリンク in 赤レンガ倉庫」では、「Hibernation(ハイバーネーション)-冬眠」をテーマに、横浜赤レンガ倉庫イベント広場に設置された9mの巨大ゲートと12枚の液晶パネルで繰り広げられる映像作品を制作し、隣接のスケートリンク内で展開されるLED照明と共鳴した幻想的な空間の演出も手掛け、大きな話題となりました。

また今年は「日本オーストリア交流年2009」の招待作家に選ばれ、MUMOK(Museum Moderner Kunst – Stiftung Ludwig – Vienna)やFreiraum / quartier21など、ウィーンの文化の中心MuseumsQuartier Viennaにて開催されるメディアアートのフェスティバル「CODED CULTURES – Exploring Creative Emergencies」に参加しています。会場では「医療用のCTスキャナで機関車を撮影してつなぎあわせた映像を、レイヤーになっている12枚の特殊な液晶フィルムに、奥から手前へと映し出して立体感を出す」というSHIMURABROS.の代表作「X-ray train」シリーズが展示されました。このフェスティバルは今年10月に日本巡回を予定しています。

さらに、今年秋のヨコハマ国際映像祭2009(10月31日~11月29日)において、SHIMURABROS.は現在制作進行中の最新作を発表致します。

新たな立体映像装置の発明とともにイメージの実体化を企てるSHIMURABROS.の京都での特別展示をぜひご高覧くださいませ。