EXHIBITIONS

武田陽介 「Arise」

会期:2016年5月14日(土) – 6月11日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー 東京
オープニング・レセプション:5月14日(土)18:00-20:00

タカ・イシイギャラリーは、5月14日(土)から6月11日(土)まで、武田陽介個展「Arise」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでの2度目の個展となる本展では、武田が2010年から継続して撮影を続けている「Digital Flare」シリーズの新作及び、その映像作品を展示いたします。

武田は、これまでの展示において「写真」というテーマを基本として、その存在態を全方位的に検証するような作品を展開してきました。カメラや印画紙という写真を構成する基礎的なマテリアル、それらをつなぐ媒介としての光。あるいは、写真の在り方を左右するデータや写真集といった複製物。武田にとって写真とは「イメージと支持体との組み合わせによって相互干渉的に成立する複合体」であり、それは暗室で培われた身体的な記憶によるものといえるでしょう。

デジタルフレア、と呼ばれるこのシリーズは、デジタルカメラを強い逆光に向けた際に生じるフレア、あるいはゴーストと呼ばれる現象を被写体として捉えることにその特徴がある。

自転と公転、光、そして風に揺れる木々。それら自然の複雑系が特定の条件を揃える数分間、その現象を被写体として捉えることが可能となる。植物は被写体でありながら、その現象を発生させるための引金として機能している。レンズを含む、カメラシステムの基本的な目的が被写体を捉えることであるならば、システムの介在によって発生するこの現象は、手段の形跡、その存在の刻印である。あふれる光の揺らぎによって顕れるそれらは、レンズのテクスチュアと形容するにふさわしい。

手段と目的の錯綜した関係性をこそ被写体とするコンセプトは、被写体がそのシステムの外部にのみ存在するという先入観をキャンセルする。植物と光、そしてレンズのテクスチュアは不可分な全体として情報化され、それぞれが等しく粒子として、あるいは紙の上の光として支持体に定着される。

光をレンズで捉えることが写真の基本であるならば、このシリーズはレンズを光で捉えるための実験的な試みだろう。

2016年4月 武田陽介

武田陽介は1982年愛知県名古屋市生まれ。2005年同志社大学文学部哲学科卒業。大学在学中より銀塩写真での制作活動を始める。フィルムや印画紙の生産中止など、従来の銀塩写真の制作が困難になる状況をきっかけに、デジタル写真へと移行。写真というメディウムに対する透徹した制作意識を湛えた作品を発表し続けている。サンフランシスコ近代美術館、スペイン銀行に作品が所蔵されている。近年の個展に、「キャンセル」 3331 GALLERY (東京、2012年)、「Stay Gold」 タカ・イシイギャラリー (東京、2014年)、「Stay Gold: Digital Flare」 空蓮房  (東京、2014年)など。

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