EXHIBITIONS

スターリング・ルビー 「BC RIPS」

会期:2014年9月7日(日) – 10月4日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー(東京・清澄)
オープニング・レセプション:2014 年 9月7日(日)17:00 – 19:00

タカ・イシイギャラリーモダン(東京・六本木ピラミデビル)にてスターリング・ルビーキュレーションによる2人展同時開催:2014 年 9月9日(火)-10月4日(土)12:00-19:00

タカ・イシイギャラリーは、ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、スターリング・ルビーの個展を開催いたします。タカ・イシイギャラリーで2度目の個展となる本展では、最新のBC(ブリーチ・コラージュ)シリーズを展示いたします。ルビーは、工芸品としてのキルトから鮮やかでポップな形式パターンを導き出し、大型のコラージュ絵画を制作しました。これらの作品は、アメリカのアラバマ州のジーズ・ベンド・キルトや日本のボロ布を思い起こさせます。

ロールシャッハ・テストに使われるイメージと似た描き方で、ルビーは布パネルの折目に漂白液を垂らし、中心から放射状に爆発や星雲のような白黒反転したパターンを作り、その上に画面を二等分する鮮やかな色の布やバンドをコラージュします。飛び散った漂白液や布の断片は、端から染み出る大量の接着剤によってキャンバス表面に固定されています。 ルビーはこのシリーズについて、アンディ·ウォーホールの「ロールシャッハ」のほか、バーネット・ニューマンの「ジッパー」からの影響と引用があると述べています。これらの美しく形式的な絵画は、創造と破壊を横断し、空間に実在するかのようなアシッド・トリップを表現し、瞑想的なエネルギーを反響させています。

ルビーの美術家としての近年の評価は目覚ましく、2008年のニューヨーク·タイムズ紙において、美術評論家ロベルタ·スミスにより「20世紀に出現する最も興味深いアーティストの一人」として挙げられました。光沢のあるウレタン彫刻、ドローイング、コラージュ、釉薬がたっぷりとかかった陶器、スプレーペイントにインスピレーションを受けたグラフィティ、ヴィデオなど、作品の技法は広範囲に渡ります。ルビーの作品は、相対するさまざまな要素が組み合わさって観る者に迫ってくるような印象を与えます。そこには社会や美術史がはらむ抑圧と統制と暴力、そしてそれに対する反社会的行動や彼自身の関係が投影されていますが、どの作品も、流動と固定、ミニマリズムと表現主義、純粋さと不浄とのあいだに横たわり、それを見る行為によって観る者は揺れ動き、さまざまな葛藤にさらされます。

スターリング・ルビーは、アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン(パサデナ)でMFAを取得。おもな展覧会として、ホイットニー・ビエンナーレ(ホイットニー美術館、ニューヨーク、2014年)、「Droppa Blocka」ドント・ダーネンス美術館(ゲント、2013年)、「SOFT WORK」(ローマ現代美術館まで巡回、2012-2013年)、瀬戸内国際芸術祭2010(福武ハウス、女木島)、「New Photography 2009」 ニューヨーク近代美術館 (2009年)、「Stray Alchemist」ユーレンス現代美術センター(北京、2008年)などが挙げられます。今後は、「The Los Angeles Project」ユーレンス現代美術センター(北京、2014年)、台北ビエンナーレ(2014年)、第10回光州ビエンナーレ(2014年)に参加する予定です。

【作品集詳細】刊行日未定
スターリング・ルビー 『BC』
価格未定、タカ・イシイギャラリー 刊(2014年)、200部限定、ハードカバー、202頁、掲載作品97点、H35 x W28.3 x D3 cm、清水穣氏によるテキスト収録(英語)

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