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中村 翔大

Shota Nakamura, “Studio”, 2025, oil on canvas, 120 x 150 cm © Shota Nakamura / Photo: Kenji Takahashi

中村翔大は1987年山梨県生まれ。2011年に武蔵野美術大学を卒業し、現在ベルリンを拠点に活動。

中村の作品は柔らかく瞑想的な空気を湛えており、現実と幻想世界の境目が溶け合うかのようである。ペインティング作品では、眠る、本を読む、あるいは瞑想するというように静粛で穏やかな状態にある人物が描かれる。温かく落ち着いたトーンの色づかいと相まって、彼がつくる室内と屋外を融合させた構成は、シームレスで内省的な世界を生み出す。

ピエール・ボナールやエドゥアール・ヴィヤール、アンリ・マティスの影響もみられる中村の作品は、写実性よりも作品の空気感に重きを置き、絵画的で親密な魅力を備えている。日本での生い立ちや現在のベルリンでの生活の影響を受け、彼のペインティングには自身の感情や自然風景との瞑想的な関わりが反映されている。それらは静かで詩的ともいえる内的思索を喚起し、観る者に静寂と内省の時間をもたらす。
彼の作品は、過去の作家による作品イメージや自分自身が撮影した写真や記憶を参照して描かれる。色や要素を変えつつも、直接的に他者の作品の構成を引用しているものもあり、それは引用元の作家に対する批評であるといえるだろう。

主な個展に「青と緑」(タカ・イシイギャラリー 京橋、2025年)、「オリエント」(タカ・イシイギャラリー 六本木、2025年)、「SIGHS」C L E A R I N G(ニューヨーク、2025年)、「small works 2022-2024」C L E A R I N G(ロサンゼルス、2024年)、「light room」C L E A R I N G(ロサンゼルス、2023年)、「each passing day」Peres Projects(ベルリン、2022年)、「Walking」Ilwoo Space(ソウル、2021年) などがある。主なグループ展に、「Aura Within」Hauser & Wirth(香港、2025年)、「Wings of a Butterfly」Ingleby Gallery(エディンバラ、2025年)、「Meet me by the lake」C L E A R I N G(ニューヨーク、2024年)、「BERNHEIM x ADZ Gallery」Bernheim(チューリッヒ、2024年)、「Male Nudes: a salon from 1800 to 2021」Mendes Wood DM(サンパウロ、2021年)など。作品は、ICAマイアミ、オレンジカウンティ美術館(コスタメサ)、Lafayette Anticipations – Fondation d’entreprise Galeries Lafayette(パリ)などに収蔵されている。

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