EXHIBITIONS

篠田太郎 「ホモ・サピエンス・サピエンス」

会期:2012年10月3日(水) – 11月2日(金)
会場:タカ・イシイギャラリー(東京・清澄)
オープニング・レセプション:10月3日(水)19:00 – 21:00

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タカ・イシイギャラリーでは、10月3日(水)から11月2日(金)まで、篠田太郎個展「ホモ・サピエンス・サピエンス」を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでは初めての個展となる本展では、2007年から篠田が制作を続け、現在も進行中のプロジェクトである映像作品「月面反射通信技術」や新作ペインティング約21点を展示する予定です。

世界の事象を人は抽象化してしか捉えられない故に私たちを越える高次の存在のみが
私たちの文明、文化を客観視出来ると思う。
我々が例えば近所の野良猫の争いを客観的に見れる様に、、、
僕が猫ならばもっと上手くやっていけるのにと、争いを見ていて思う。
高次の存在からすれば私たちの文明はなんと稚拙で効率の悪いと感じることだろう。
それは僕もなんとなく解っている。でもそこから抜け出す手段を見つけられないのである。
私は主観のみで世界を観て感じ、
天体は完全な客観で我々を観察している事だろう。
無限に近い時間の流れの中で、その一瞬を偶然に得た自分と言う存在をどうして活用しよう?
僕はただ観たい、何がどうなっているのかを。

2012年8月8日 篠田太郎

「月面反射通信技術」は、イスタンブール、ボストン、東京の各地で撮影された月の映像から成ります。篠田は、人類が地球を共有していることを実感するために、地球のあらゆる場所で観測可能な唯一の衛星である月を題材にし、私たちが月を見ているのではなく、月が私たちを見ているという反転した発想を起点に制作に取り組んでいます。そして、私たちが眺める月は、眺める場所によって様々な姿を見せている-そのことを明かすために天体望遠鏡を通して月を各地で眺めながらペインティングを制作しました。真っ白なアルミ・プレートを支持体に選んだ作品は何度も上描きを施され、抽象的な様相を見せながらも、映像作品との関連を持って月の姿の多様性を表しています。展覧会では、映像作品やペインティングに加え、制作に使用した天体望遠鏡も展示することで、篠田のプロジェクトの全貌をご紹介いたします。

篠田は1964年東京生まれ。東京を拠点に活動を続け、これまでも「人間と自然の新しい関係」をテーマに、人間の身体やそれを包む地球・宇宙まで多様な関心を持ちながら作品発表を続けてきました。イザベラ・ステュワート・ガードナー美術館(ボストン、2009)、REDCAT (ロサンゼルス、2005)、広島市現代美術館(2002)などで個展を開催。「SCULPTURE GARDEN
(COLLABORATIVE PROJECT) / KAZ OSHIRO / TARO SHINODA」Las Cienegas Projects(ロサンゼルス、2011)、「ネイチャー・センス展」森美術館(2010)、イスタンブール・ビエンナーレ(2007)、釜山ビエンナーレ(2006)など国際展にも多数参加しています。