EXHIBITIONS

トーマス・デマンド

会期:2003年6月27日(金) – 7月26日(土)

タカ・イシイギャラリーでは、2003年6月27日(金)から7月26日(土)まで、トーマス・デマンド展を開催致します。

1964年ミュンヘン生まれのトーマス・デマンドは、今年のヴェニス・ビエンナーレに新作を出品し、国際的に大きな注目を集めているベルリン在住のアーティストです。ここ近年では、”Carnegie International 1999/2000″をはじめ、ロンドンのTate Gallery(1999)、パリのFondation Cartier pour l’art contemporain(2000-01)、アムステルダムのDe Appel(2001)、サンタ・フェのSITE Santa Fe(2002)、トリノのCastello di Rivoli(2002-03)など、世界各国の展覧会に参加しています。

トーマス・デマンドは、写真家でなく彫刻家としての教育を受けた影響が、ユニークな特色として挙げられる。彼の写真作品は、あらかじめ写真化される意図のもとに制作された「彫刻」から生まれる。

ただし「彫刻」といっても、トーマス・デマンドの場合、紙を使って精巧に作り上げたほぼ原寸大のペーパー・モデルなのである。このペーパー・モデル自体は、アーカイヴ化された写真の向こうにわずかな存在の形跡をとどめるだけで、最終的には人目にふれず消えてしまう。

また、もう一つの大きな特色は、トーマス・デマンドの作品における「空虚さ」である。もとは政治的、美術史的、社会的な意味を含んだ題材であるにも関わらず、そのイメージに空虚な印象を強く受けるのはなぜか。彼の作品には、何にでもあてはまりそうな包括的なタイトルが好んでつけられ、その中に人間が登場することはない。

日本では初めての個展となる本展では、2001年から2003年の新作を含む写真作品4点をご紹介致します。是非ご高覧くださいませ。