EXHIBITIONS

ルーク・ファウラー&角田俊也 「LEADER AS GUTTER」

会期:2013年9月14日(土)- 10月12日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー (東京・清澄)
オープニング・レセプション:9月14日18:00 – 20:00

タカ・イシイギャラリーは、ルーク・ファウラーと角田俊也の二人展を開催致します。ルーク・ファウラーと角田俊也は、これまでいくつもの共同制作を行ってきました。タカ・イシイギャラリーで最初の二人展となる本展では、最新の映像インスタレーション作品「LEADER AS GUTTER」を発表致します。この作品は、書物のページを記録装置として捉えたいという角田の欲望にもとづいて、ファウラーが16mmフィルム映画を撮影するという遠隔のコラボレーションから始まりました。ファウラーは、蔵書票からそのタイトルと物質感に興味を引かれて「On the Nature of Maps」という本を選びました。彼はアメリカとイタリアを旅行中に、そして最後にスコットランドの自宅でこの本を撮影し続けました。

このインスタレーションは、視覚、音響、そして空間を経験する複雑なシステムとしての映画を念頭に考案されています。ギャラリーの中央に何重にも積まれたアクリル板にフィルムが映写されますが、この素材へ投影されると、像の光線は拡散するか、あるいはアクリル板と対話するように屈折します。作品のタイトルにある「LEADER」という語は、フィルムの空白部分をさし、技術用語では「黒の空白」、つまり編集過程において像と像のあいだに差し挟む空白部分を意味します。「GUTTER」という語は、印刷用語で綴じしろの余白を意味します。

映像を用いたインスタレーションの共同制作は、「Composition For Flutter Screen」(横浜トリエンナーレ(2008)、サーペンタイン・ギャラリー、ロンドン(2009):ブリティッシュ・アート・ショウ(2011))、「Ridges on the Horizontal Plane」(Bielefelder Kunstverein (2011)、Galerie Gisela Capitain (2011): Inverleith House Royal Botanic Garden (2012):「New York’s “Soundings : A Contemporary Score」 MoMA、ニューヨーク(2013年11月3日まで)に続き、本展で三作目となります。

音は空洞で響くが、光は透明な固体の中で反射拡散する。
透明な層の中の光は時間の層と考えられないだろうか。
私たちは物事を時間的にも空間的にも連続して考える。
意識に僅かに残る時間と空間、記憶は様々な時間の層に関連する。

2013年7月25日 ルーク・ファウラー& 角田俊也

1978年にスコットランド・グラスゴーに生まれたルーク・ファウラーは、2000年にダンカン・オブ・ジョーダンストーン芸術大学を修了し、現在もグラスゴーを拠点に活動しています。ドキュメンタリー映画や伝記映画の従来のアプローチから離れ、インタビュー、写真撮影、音響、アーカイブ映像のモンタージュによる革新的な映像作品を制作し、イギリスで最も注目される若手作家として高い評価を受けています。近年の個展としては、「Notes within Vibrations (Spatial Response to the ICA Archive)」(2012年、ICA、ロンドン)、「Warriors. Four Films by Luke Fowler」(2009年、Xイニシアティブ、ニューヨーク)、サーペンタイン・ギャラリー(2008年、ロンドン)、クンストハレ・チューリヒ(2008年、チューリヒ)などがあり、日本においては角田俊也とともに横浜トリエンナーレ2008に参加しています。2008年にデレク・ジャーマン賞(サーペンタイン・ギャラリー、ロンドン)を受賞、そして2012年にはターナー賞にノミネートされるなど、発表の場を次々と広げて活躍しています。

 1964年に神奈川県生まれた角田俊也は、東京藝術大学美術学部美術研究科大学院を修了し、現在は横浜を拠点に活動しています。環境音をモティーフとした制作で知られるサウンドクリエーターとして、また同時にインスタレーションの制作、パフォーマンスを行うアーティストとして多岐に渡る活動が知られています。彼の音響作品は、小型マイクやコンタクト・マイクを用いて注意深くフィールド・レコーディングされた音波によって構成され、特定の振動現象は時間と空間の主観的な経験に輪郭を与えることを示しています。とりわけ海外からの評価が高く、美術館、ギャラリーの展覧会への出品、各国のレーベルからのCDリリースなどを行っています。主な展覧会に「Soundings A Contemporary Score」(MoMA、ニューヨーク、2013年、ルーク・ファウラーと共作)、「Simple Interactions Sound Art from Japan」(2011年、ロスキル現代美術館、デンマーク)、サーペンタイン・ギャラリー(2009年、ロンドン、ルーク・ファウラーと共作)、横浜トリエンナーレ2008(2008年、ルーク・ファウラーと共作)、「ハーフライフ」(2007年、屋外彫刻展アーガイル、スコットランド)などがあり、インヴァーレイス・ハウス(エジンバラ)、スタック・アートセンター(ベルギー)などでパフォーマンスを行っています。

 ライブ情報: Luke Fowler & Toshiya Tsunoda @ Ftarri
日時:2013年9月15日(日) 開場:19:30 / 開演: 20:00 / 入場料:¥1,500. (チケットのお問い合わせ:Ftarri)
場所:Ftarri ( http://www.ftarri.com/suidobashi/index.html )
〒113-0033 文京区本郷1-4-11 岡野ビル地下1階 Tel: 03-6240-0884
JR水道橋駅徒歩5分、都営三田線水道橋駅徒歩3分、丸の内線 / 南北線後楽園駅・本郷三丁目駅徒歩8分

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