EXHIBITIONS

アネット・ケルム

会期:2013年3月23日(土) – 4月20日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー(東京・清澄)

タカ・イシイギャラリーでは3月23日から4日20日まで、アネット・ケルムの個展を開催致します。ケルムは1975年ドイツのシュトゥットガルトに生まれ、ベルリンを拠点に数多くの国際的なプロジェクトに参加しています。これまでのおもな個展・グループ展として、Presentation House Gallery(2012年、バンクーバー)、Bonner Kunstverein(2011年、ボン)、KW – Institute for Contemporary Art(2009年、ベルリン)、Kunstalle Zurich(2009年、チューリヒ)などが挙げられ、2011年には第54回ヴェネツィア・ビエンナーレに参加しました。

アネット・ケルムの写真は、スポーツ、日常生活、植物、異国情緒、ハリウッド映画や建築などが被写体として選ばれています。それらのイメージは、アートマーケット、メディアそして消費者による流通を含むさまざまなイメージの生産によって築かれ、安定化した価値体系およびコード(記号)として、その意義をフィルターにかけているように見えます。ケルムはそれぞれのモチーフから単一作品および連作の両方を制作しており、展覧会ではいくつかの作品を組み合わせて展示し、主題やコンセプトがひとつの解釈で理解されることを拒絶しています。ケルムの作品は複数の異なる視点を提示しますが、それらが完結するとは限りません。むしろそれらは自身を取り消すようにも見えます。

「ドイツ連邦共和国における女性運動史の展示ケース、ドイツ連邦共和国歴史博物館財団、ボン」「ドイツ連邦共和国における女性運動史の展示ケース、バーデン=ヴュルテンベルク州立歴史博物館、シュトゥットガルト」(いずれも2013年) と題された作品において、紫色に染めたダンガリー服とその展示方法は、ドイツの両歴史博物館においてフェミニズムを象徴しています。1970年代のドイツでは、フェミニストやエコロジー運動の活動家と女性達は、ダンガリー服を紫色に染めました。男性の作業服として作られたダンガリー服を、彼らは女性解放運動の象徴として着たのです。ドイツ語に“Lila Latzhose” (ライラック・ダンガリー) という言葉がありますが、これはドイツで第二波フェミニズムの象徴、そしてフェミニズム強硬派の特徴として使われていました。

「Strohblumen(ヘリクリサム)」と題された作品は、青色のスタジオ背景にピンク色のムギワラギクと椰子の葉が撮影された3点組の静物写真です。温暖な土地で撮影された写真か、あるいは自然のスナップショットのようなライティングが施され、植物の組み合わせが連続しています。ヘリクリサムは、初めにオーストラリアで発見され、今日ではヨーロッパのファーマーズ・マーケットや街のフラワーショップで見かける典型的なドライフラワー・ブーケです。カナリアナツメヤシは、パイナップルのような形にカットされる典型的な海岸の椰子の木ですが、ヨーロッパではリビングルームに飾る鉢植えとしても知られています。

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