EXHIBITIONS

桑山忠明

会期:2018年11月22日(木) – 12月22日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー 東京
オープニング・レセプション: 11月22日(木)18:00 – 20:00

タカ・イシイギャラリーは、ニューヨークを拠点に活動する桑山忠明の個展を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでの初個展となる本展では、新作インスタレーション作品を展示いたします。

観念、思想、哲学、理性、意味、作家の人間性さえも、私の作品には一切入り込まない、そこにはただ芸術そのものがあり、それにつきるのである。

桑山忠明 『Art in America』1964年8月号(vol. 52, no.4)p100

1958年に活動拠点をニューヨークへ移して以来、一貫して還元主義的な作品を制作している桑山は、61年にグリーン画廊(ニューヨーク)で個展を開催するなど、60年代のアメリカにおけるミニマル・アートの先駆者のひとりとして広く知られる作家です。しかしながら、その世界的なミニマリスト作家としての評価は、桑山の芸術を「カラーフィールド・ペインティング」や「モノクローム絵画」に分類することで、既存の評価基準と照らし合わせているに過ぎません。既成概念を捨て去り、実験的な精神のもと作品の素材に関する探求を重ねることで、桑山は未だ誰も到達していない美を追求し続けています。

作家が「ステートメント」を書くのは珍しくないが、それは作品がいかにつくられるのか、という記述、使用されている素材の説明で十分である。作品に関することばは不要になっているのであり、作品を見ればことば以上に明瞭な説明が与えられる。

 桑山忠明「On my work」『Art Now』(vol. 2)掲載頁不明 『Flash Art』1963年6月号 P.16 に再掲載
日本語訳:桑山忠明「作品について」(藤枝晃雄訳)『美術手帖』1973年10月(372号)、p189

桑山の作家活動を時代ごとに俯瞰していくと、渡米後2回目の個展を開催した1962年頃までの、日本画の顔料をアクリル溶剤で溶いた絵具や鳥の子紙を板に巻きつけた絵画を制作した顔料の時代、1969年頃までのアクリルペイントの時代、70年代に本格化するメタリックペイントの時代、80年代の油彩の時代、そして空間そのものを作品とする物質の時代、という変遷を辿ることができます。

本展では、プライウッドにベークライトと呼ばれる熱硬化樹脂を貼り付け、その表面にメタリックペイントを吹き付けた形状の等しいパネル作品が毅然として並ぶ、新作インスタレーションを展示します。ギャラリースペースは未知の空間へと変質し、空間そのものが作品に還元され、観るものに新たな感性的体験をもたらします。

桑山忠明は1932年名古屋生まれ。東京芸術大学日本画科を卒業後1958年に渡米し、その後今日までニューヨークで制作活動を継続。初期は日本画の顔料や和紙を用いた作品を制作していたが、1961年のグリーン画廊(ニューヨーク)での個展以後はアクリル絵画による単色の幾何学的形体を組み合わせた平面作品に移行し、60年代、70年代のアメリカにおけるミニマリズムを牽引。絵画から離れていくかのように表現者としての主観を表すことなく、純粋な芸術および芸術体験を志向した作品は国際的に高い評価を得ている。これまでに神奈川県立近代美術館 葉山(2012年)、国立国際美術館(大阪、2011年)、金沢21世紀美術館(2011年)、 名古屋市美術館(2010年)、ルペルティヌム近代美術館(ザルツブルグ、2000年)、川村記念美術館、千葉市美術館(いずれも1996年)、北九州市立美術館(1985年)などで個展を開催。また、「表面、支持体、プロセス:グッゲンハイム・コレクションによる1960年代のモノクローム」グッゲンハイム美術館(ニューヨーク、2011年)、「ザ・サードマインド:アジアを見つめるアメリカの作家たち1860-1989」グッゲンハイム美術館(ニューヨーク、2009年)、「戦後日本の前衛美術」サンフランシスコ近代美術館他(1995年)、「色彩の形体」アムステルダム市立美術館(1966-67年)などのグループ展に参加。主な作品収蔵先にグッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、ニューヨーク近代美術館、オルブライト=ノックス美術館(バッファロー、ニューヨーク)、ベルリン国立美術館、チューリッヒ構成美術・具象絵画財団、東京国立近代美術館、国立国際美術館(大阪)などが挙げられる。

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