EXHIBITIONS

スターリング・ルビー「VERT」

会期:2018年3月23日(金) – 4月21日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー 東京
オープニング・レセプション:3月23日(金)18:00 – 20:00

タカ・イシイギャラリーは、ロサンゼルスを拠点に活動する作家、スターリング・ルビーの個展を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでの3度目の個展となる本展では、最新作のペインティング作品を展示いたします。

今回の新作では、赤とオレンジと黄色、セルリアン・ブルーと緑と茶といった感情をかきたてる不調和な配色が、冷たい白あるいは焦げたような黒の背景と組み合わされています。ボール紙や帯状の布からなるコラージュの上には指紋や筆跡が残り、激しい動作や厚く盛り上がった絵の具使いは強迫的で不穏な感覚をもたらします。

武骨ながら詩的でもある作品タイトルは、CRSS(cross: 十字、横切る)、WIDW(window: 窓)、VERT(vertical:垂直)といった略語を含んでいます。こうしたタイトルは、画面を二分割あるいは四分割しているコラージュの要素を表わすとともに、地平線、格子、旗、鉄格子、そしてとりわけこのシリーズでは窓という、作家が繰り返し用いるテーマを暗示しています。この窓のどちら側に視点があるのかは不明確です。私たちは窓から外を見ているのか、外から窓の中を見ているのか、どちらでしょうか?

「CRSS. UMBRA VITAE.」は、詩人ゲオルク・ハイムが危機に瀕した1912年の世界について天空の光景や暗い思索を記した黙示録的な詩「人生の影」にちなんだ作品です。「WIDW. MAZATEC.」は輝く空を描く一方、「VERT. BOW.」 は、嵐のあとの虹を含んでいます。不確かな未来の姿を予示しながら、内と外を行き来するこれらの心象風景は、究極的には一体性、全体性、再統合へと向かいます。

人々は道端に前のめりに立ち
天の巨大な兆しを見上げる
そこには炎の鼻をつけた彗星が
ギザギザの尖塔にじわじわと這い寄っている。

家々の屋上にひしめく星占い師たちは
夜空に望遠鏡を突き刺し
屋根裏部屋の窓からは魔術師たちが
闇に身を乗り出して一つの星を呼び出している。

ゲオルク・ハイム「生の影」(1912年)より冒頭の2

スターリング・ルビーは1972年生まれ。光沢のあるポリウレタンやブロンズ、鋼鉄を用いた立体作品から、ドローイングやコラージュ、ふんだんに釉掛けした陶器、油彩画、写真、映像、さらにはキルト、タペストリー、衣服、ソフトスカルプチャーといった布作品まで、多様な素材や技法を駆使する。ルビーの作品では常にさまざまな要素が緊張関係を保ち、危うい均衡を成り立たせており、社会の中の暴力や圧力、美術史に関わる問題のほか、自身の過去も扱われる。全ての作品において、流動と静止、ミニマリズムと表現主義、純粋さと汚れの間で揺れ動く作家像を見ることができる。

ルビーはこれまでロサンゼルス現代美術館(2008年)、FRAC シャンパーニュ=アルデンヌ(ランス、2012年/同年ジュネーヴ現代美術センター、2013年ローマ現代美術館に巡回)のほか、ベルヴェデーレ美術館 冬の宮殿(ウィーン、2016年)等で個展を開催。作品はニューヨーク近代美術館、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(ニューヨーク)、シカゴ現代美術館、ロサンゼルス現代美術館、アーマンド・ハマー美術館(ロサンゼルス)、サンフランシスコ近代美術館、テート・モダン(ロンドン)、パリ市近代美術館、ポンピドゥー・センター(パリ)、ストックホルム近代美術館を含む多くのコレクションに収蔵されている。2018年にデモイン・アート・センター(アイオワ州デモイン)で陶器作品の個展、2019年にナッシャー彫刻センター(ダラス)にて個展が予定されている。

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