EXHIBITIONS

野口里佳 「海底」

会期:2017年9月9日(土) – 10月7日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー 東京
オープニング・レセプション: 9月9日(土)18:00–20:00

タカ・イシイギャラリー東京は、9月9日(土)から10月7日(土)まで、野口里佳の個展を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでの初個展となる本展では、昨年ベルリンから帰国し、今年新たな活動拠点として居を構えた沖縄にて撮影した新作約12点(カラー写真作品大判約7点と小判約5点)を発表いたします。

野口は慣習で溢れた世界を一から把握し直すような、被写体との独特の距離感をもった写真作品で知られ、その視線は「異邦人の眼」とも評されます。スプーンから今まさに地球の中心に向かって落ちようとする蜂蜜を写した「不思議な力」(2014年)や、逆にその力から逃れようと垂直に上昇するロケットを捉えた「HⅡA・F4」(2002年)、銀河系の恒星の一つとして、我々が暮らす地球のみならず広大な宇宙全体に向かって光を発する太陽をピンホール・カメラによって撮影し、その姿を印画紙に定着させた「太陽」(2005–08年)など、野口の写真は我々が日常目にする光景の中に、重力や光といった万物を司る大きな力が働いていることを改めて思い出させます。その特異なまなざしは、代表作「フジヤマ」(1997年-)の英語タイトルに、未だその出現の法則が解明されない素数を意味する「A Prime」を与えたように、その作家活動の早い段階から確立されていたと言えます。

本展で発表される大判カラー作品「海底」は、「潜る人」(1995年)、「星の色」(2004年)に続く水中写真の新作です。沖縄の海で撮影されたこの作品には、太陽の光の届かない周囲をライトで照らしながら海底に立つ、ダイバーの姿が登場します。誰もが知っている海、その奥深くには、地球上のどこにいても逃れられない重力の効かない異世界が存在します。海に向かうダイバーとの偶然の出会いから、その背中を追った「潜る人」シリーズを野口は、「月面に行こうとした作品」と語り、誰もいない与那国の美しく青い海と海底遺跡を写した「星の色」シリーズを、「潜る人」の前日譚と位置づけています。3作目にあたる本作で月面に降り立った野口のまなざしは、そこで何をみつけるのでしょうか。

1971年大宮市(現さいたま市)生まれ。1994年に日本大学芸術学部写真学科を卒業、12年間のベルリン滞在を経て現在沖縄を拠点に活動。主な個展として、「光は未来に届く」IZU PHOTO MUSEUM(静岡、2011年)、「太陽」モンギン・アートセンター(ソウル、2007年)、「星の色」DAADギャラリー(ベルリン、2006年)、「彼等 野口里佳」アイコンギャラリー(バーミンガム、2004年)、「飛ぶ夢を見た 野口里佳」原美術館(東京、2004年)などが挙げられる。野口は2018年3月に開催される第21回シドニー・ビエンナーレに参加予定。主なグループ展として、さいたまトリエンナーレ(2016年)、「The Living Years」ウォーカー・アート・センター(ミネアポリス、2012年)、横浜トリエンナーレ(2011年)、「光 松本陽子 / 野口里佳」国立新美術館(東京、2009年)、カーネギー・インターナショナル(ピッツバーグ、2008年)、シャルジャ・ビエンナーレ(2007年)、「夏の扉 – マイクロポップの時代」水戸芸術館現代美術ギャラリー(2007年)、「ムーヴィング・ピクチャーズ」ソロモンR.グッゲンハイム美術館(ニューヨーク、2002年)/ グッゲンハイム美術館ビルバオ館(2003年)、「写真の現在2:サイト – 場所と光景」東京国立近代美術館(2002年)、「ファクツ・オブ・ライフ:現代の日本のアート」ヘイワードギャラリー(ロンドン、2001年)、「スタンダード」直島コンテンポラリーアートミュージアム(現ベネッセアートサイト直島)(2001年)に参加している。

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