EXHIBITIONS
法貴信也
会期:2014年10月10日(金) – 11月8日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー(東京・清澄)
オープニング・レセプション:2014年10月10日(金)18:00 – 20:00
タカ・イシイギャラリー(東京・清澄)は、10月10日(金)から11月8日(土)まで、法貴信也の個展を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでの2年ぶり4度目の個展となる本展では、新作約16点を展示いたします。法貴は1966年京都に生まれ、京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻終了後、京都を拠点に活動しています。近年では「絵画の庭」国立国際美術館(大阪、2010年)、「レゾナンス 共鳴 人と響き合うアート」サントリーミュージアム天保山(大阪、2010年)、「現代絵画のいま」兵庫県立美術館(神戸、2012年)などに出展しています。
4 年ほど前からニュートラルで絶対的な白(地)というものに疑問を持ちはじめ、2 年前のタカ・イシイギ ャラリー京都での個展では白(地)に対する新しいアプローチを「外の力をいれる」という言いかたで 意識したと同時に、線の修正や汚れのレタッチに使った白を敢えて残すというテクニカルな面からも絵を動かすことにしました。そして展示が終わって後、単なる修正として画面にばらまかれた白を、特異な働きを持つところまで関連づけることに決めました。これを「白の言語化」と呼んでいます。
(-中略―)この 2 年のあいだにオールオーバーと呼んでも差し支えないところまで画面の線と白の面は 細かく切り刻まれましたが、ここにきてふたたび、絵は線/(白)地というシンプルなつくりに戻りつつあります。勿論、白の上の、あるいは隣り合う白、そして重なる、または隣り合う線は、嘗てよりもずっと時間的 、空間的にややこしくなっています。
法貴信也
本展にて発表する「二本画」(画具を2本もって描く絵)は、13年間使い続けた自作の画具から市販の筆と刷毛とに持ち換えて描かれた新作で、これまでにない青緑色の層が画地に加えられています。この新たな手法と関連付けられた白(=白の言語化)という考え方によって、線と色彩(地)の関係はより複雑で新たな展開をみせています。法貴のこれまでの作品の特徴として、躍動し自立する線は、ニュートラルな白の画地の上で具象と抽象(線そのもの)の見え方を両立させてきました。新作においては、線描の特色に加えて、線と流動的になった白や青緑の地色とが互いに関連、影響しあうことで、かつてなかった絵画空間を形作っています。線描でどのように平面、空間を形成していくのか、独自のアプローチで線の絵画を探求し続ける法貴の最新作をぜひご高覧ください。