EXHIBITIONS

津田直 「REBORN (Scene 2) ― Platinum Print Series」

会期: 2014年6月28日(土) – 7月26日(土)
会場: タカ・イシイギャラリー モダン(東京・六本木 ピラミデビル)

タカ・イシイギャラリー モダンでは、6月28日(土)から7月26日(土)まで、津田直個展「REBORN (Scene 2) ― Platinum Print Series」を開催いたします。同シリーズは2011年に東京にて開催された個展「REBORN “Tulkus’ Mountain (Scene 1)”」に始まり、2012年のタカ・イシイギャラリー京都を含め、これまで3度展覧会が開催されてきました。本展では、シリーズより厳選された作品10点を、アマナサルト制作協力の下、プラチナ・プリント・シリーズとして発表いたします。

2010年より始まった「REBORN」シリーズは、世界で唯一チベット仏教を国教として守り伝えるブータン王国を撮影地としています。古くから神仏や自然界への畏敬の念が培われ、宗教が人々の生活に深く根差すこの地で、津田は仏教の原点や信仰の在り方について探求し続けてきました。チベット仏教で信じられている輪廻転生を意味する「REBORN」と名づけられた本シリーズには、ブータン各地に点在する数々の寺院や僧院、その内奥に暮らす僧侶たち、繰り広げられる宗教的な祭りなど、ヒマラヤの厳しい自然に寄り添うように何世紀にも渡り守られてきた信仰と伝統の姿が写し取られています。

ブータン王国はチベット仏教を国教としているヒマラヤ山麓に佇む小国。
その大きさは九州くらいだと喩えられることがあるが、思いの他その土地は広く感じられる。神仏のみならず自然界に対しても敬意を表するゆえに、山へトンネルを掘るようなことをすることなく、いまなお人々は地形に沿って往来する日々を送っている。だからブータンでは時間が緩やかに流れ、谷間のように深い信仰を今に受け継ぐことができたのだろう。
四度に渡り旅をしたブータンでは、国際空港のあるパロの町を玄関口に、首都であるティンプー近隣の寺院を巡り、北部へと連なる山道では、遊牧民と共に聖山を拝みながら歩んだ。さらに東へ向かい古刹の点在する中央ブータン・ブムタン地方を訪ねた。四季を通じて催されるツェチュ祭では、僧侶を中心とした仮面舞踊が繰り広げられ、人々の篤き信仰心に触れた。

津田直

津田は1976年神戸市に生まれました。2001年よりランドスケープを中心に撮影を行い、世界各地を巡るフィールドワークのなかで、ファインダーを通して古代より綿々と続く人と自然との関わりを翻訳する試みを続けています。目に見えるものだけでなく、訪れた土地の記憶を辿り、風景やそこに暮らす人々の内に太古から積層された時間と、その不可視の世界の根底にある本質までをも捉えようとする津田の視点は、新たな風景表現の潮流を切り開く新進の写真家として注目されています。近年では、現代美術のフィールドを越え、他分野との共同制作や雑誌連載、講演会、特別授業を行うなど、その活動は多岐にわたり、2010年には芸術選奨文部科学大臣新人賞(美術部門)を受賞しました。「近づく」(2001-2004)、「漕」(2005-2009)、「SMOKE LINE」(2008)、「果てのレラ」(2009)、「Storm Last Night」(2010)、「Earth Rain House」(2012)、「SAMELAND」(2014)等、シリーズ全体を通して「写真と時間の関係」という古くとも新しいテーマへ真摯に取り組み続ける津田の作品世界をこの機会に是非ご高覧ください。

同時開催
「On the Mountain Path」
会期: 2014年6月27日(金)- 8月23日(土)
会場: Gallery 916(東京都港区海岸1-14-24 鈴江第3ビル 6F)
オープニング・レセプション: 6月27日(金) 18:30 – 20:30

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