EXHIBITIONS
ウィリアム・J・オブライエン 「water sounds」
会期:2014年4月26日(土)- 5月17日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー (東京・清澄)
タカ・イシイギャラリーでは、4月26日(土)から5月17日(土)までウィリアム・J・オブライエンの個展を開催いたします。1975年オハイオ州クリーブランド生まれのオブライエンは、現在シカゴを拠点に活動し、これまでシカゴ現代美術館(2014年)、ナーマン現代美術館(カンザス・シティ、2012年)、シカゴ大学ルネサンス・ソサエティ(2011年)などで個展を開催しています。
オブライエンは、セラミックの立体作品が最も知られていますが、まずその製作過程において、ドローイングを描くことから始めます。あふれるばかりの色を使って描かれる幾何学的なパターンは、シュルレアリスト達による自動筆記にも似ている一方で、かすかにサイケデリック・カルチャー、オプ・アート、抽象表現主義の絵画、建築などのアメリカ視覚文化の要素が見られます。鮮やかな釉薬に彩られた、遊び心あふれる形のセラミック作品は、古代民族のオブジェクトから南北戦争以前のアメリカ南部で作られていた「フェイス・ジャグ」(顔の形をした水差し)まで、非常に広い時代の文化的要素が反映されています。このように、彼の作品には、美術史、民族史、伝統工芸、詩、ポップカルチャー、サイケデリック・カルチャー、ゲイ・ミニマリズムといったさまざまな文化からの要素を持っているのです。
紙、粘土、木材、ファブリック、金属など、およそ広範囲の伝統的な素材に驚くほど精通しているオブライエンの作品は、彫刻、ドローイング、ペインティング、コラージュ、ビデオ、タペストリーなど多岐にわたります。それらの膨大な素材とアイディアを、自主的な制約を無視して、直観的および即興的なプロセスでばらばらに切り離し、そして結合することによって、新しいアイディアを導き出し、そして同時に、それらの背後にある学術的な理論や既存の分類システムといったモードに反論しています。「私は、醜さ、障害が可愛らしさになることができる点に興味がある。」と作家自身が述べるように、オブライエンの作品はあらゆる枠組みを越えた力強さにあふれているのです。
タカ・イシイギャラリーでの初個展となる本展では、金属とセラミックによる彫刻作品、フェルトによる平面作品、2種類のドローイングを展示致します。