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Issue #02|PUGMENT|Never Lonely

本作品は、出身地を遠く離れて日本へやってきた洋服を移民に見立て制作されています。展示されている服は、日本に輸入された海外製品の古着を異なる生産国同士で組み合わせ、安全ピンで接合しています。服を包むターポリン素材の衣類カバーには、日本のファッション誌で古くからある「置き画」という方法で撮影した写真が印刷されています。置き画とは、服を人に着せずに平面に置いた状態で撮影する手法です。置き画の歴史を紐解くと、1868年に遡ります。日本の洋装は、主に明治天皇が洋装化を指導したことからヨーロッパから流入し、その後1945年にGHQによる占領でアメリカの日常着が流入した時期を通して一般化しました。和服は一着に小物を添え完結するのに対し、洋服は複数のアイテムを組み合わせて着用するため、日本人向けの雑誌上でコーディネートを指南するために置き画という撮影方法が生まれました。また、洋服同士を接合するのに使われている安全ピンは、2016年に英国で欧州連合離脱が決定した際や、ドナルド・トランプが米大統領選で勝利した後に、移民やマイノリティグループに対してのヘイトクライムに対抗する意思を示すために安全ピンを服につける運動を参照しています。異なる時代や文化の要素が集まり混ざることで新たなアイデンティティが生まれる時代背景と、海外文化の流入により独自の文化を発展させてきた戦後日本の服飾史を共通したプロセスと捉え、本作品に重ね合わせています。

PUGMENT
Never Lonely、2020年
ヴィデオ
3分27秒

写真|鈴木親、夢一平and下馬場貴志
ヘアメイク|Amano
サウンド|ヨシザワ”MAURICE”マサトモ、ハットリ”SHORTY”ヤスヒコ
モデル|原島隆斗

WORKS

Never Lonely

制作年:2020年
素材:古着、キルトピン、ハトメ、ターポリン、ビニール、ファスナー
サイズ:140 x 90 x 10cm

13点 | 各 ¥160,000+tax

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Never Lonely Shirts
古着のシャツを素材にしたユニークピースのシャツ。
二人羽織のように重ねられ、右胸は安全ピンで接合されている。

制作年:2020年
素材:古着のシャツ、キルトピン、ハトメ
サイズ可変

全11種類 | 各 ¥75,000+tax

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Never Lonely Lookbook

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ABOUT

PUGMENTの作品の多くは、現代に流通する日常着についての考察を起点として、洋装化以降の日本の服飾史や文化の変遷、衣服と人・都市・社会との関係に焦点をあてた丹念なリサーチに基づきます。路上に落ちている衣服をiPhoneで撮影し、同じ形の既製服の全面に転写することで衣服を再現する「MAGNETIC DRESS」(2014年)、古着のミリタリーウェアを燃やした灰で衣服を作る「IMAGE」(2016年)、インターネットで収集した衣服の写真を切り抜き、ターポリンに印刷して衣服を作る「Spring 2018」(2017年)、人類滅亡後の世界で、意思や感情を持ったファッションが衣服に憑依するという架空のストーリーを組み立て、近未来の防護服をイメージした服が登場する「1XXX-2018-2XXX」(2018年)、原宿を中心として発展した日本のファッション史に焦点を絞った「Purple Plant」(2019年)など、写真、映像、パフォーマンスなどの多様なメディアを用いてコレクションを発表してきました。いずれの作品も、衣服が持っている文脈や背景が、ファッションのみならず歴史や社会にどうリンクしているのかを観察する視点を持っています。ファッションのもつ消費サイクルと流行、その破壊の力までをも視野に入れ、流通システムそのものの性質を俯瞰しながらも、皮肉な自己言及のみに陥らず、デザイナーが自らそれをポジティブに再変換しようとする思考に溢れ、過去の歴史と現在が錯綜する状況が作品の中に生まれています。2020年5月にはプロジェクト「Pugment Books」をローンチ、過去に発表したコレクションの制作過程で生まれた写真やテキストをもとに、本の1ページに見立ててデザインしたアイテムを展開しています。PUGMENTの複眼的なアプローチは作品だけにとどまらず、その活動や制作プロセスを展覧会として公開したり、ギャラリー、書店、セレクトショップとジャンルの異なる会場で同時多発的に展覧会を行う姿勢にも表れています。そこには様々な隔たりを超えて人々を繋ぐことへの意識と、人の営みを通して衣服を制作することへの関心が貫かれています。

BIOGRAPHY

PUGMENT
2014年に大谷将弘と今福華凜(ともに1990年生まれ)によって東京で創設されたファッションレーベル。東京を拠点に活動。人の営みを通して服の価値や意味が変容していくプロセスを観察し、服の制作工程に組み込む。ファッションにまつわるイメージと人との関係性に着目し、既にある価値・環境・情報について別の視点を持つための衣服を発表する。 主な発表として「写真とファッション 90年代以降の関係性を探る」東京都写真美術館(東京、2020年)、「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影」東京都現代美術館(東京、2019年)、「We People Work」People / NADiff Gallery(東京、2019年)、「1XXX‒2018‒2XXX」KAYOKOYUKI / Utrecht / n id a deux(東京、2018年)などが挙げられる。「Unseen Amsterdam」(アムステルダム、2017年)にて写真家の小林健太と協働しパフォーマンスを実施。2019年5月にショップとオフィスの機能を兼ねたスタジオ「People」を恵比寿にオープンし、参加型ワークショップの開催などの実験的な活動を行っている。 PUGMENT.COM


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