EXHIBITIONS

川原直人 「ウロボロス」

会期:2008年8月2日(土) – 8月30日(土)
オープニング・レセプション: 8月2日(土) 18:00 – 20:00

タカ・イシイギャラリーでは、8月2日(土)から8月30日(土)まで、川原直人の個展「Ouroboros ウロボロス」を開催致します。ギャラリーで5回目の個展となる本展では、新作ペインティング約5点を展示致します。

川原直人は、2005年にタカ・イシイギャラリーにて「NU」、2007年に個展「luminol」をアントワープのZeno X Galleryで行ったほか、2008年にはチャック・クロースによりキュレーションされた「Attention to Detail」展(The FLAG Art Foundation、ニューヨーク)に参加、また今秋にはグループ展「Diana und Aktaion: Der Verbotene Blick auf die Nacktheit」(クンスト・パラスト美術館、デュッセルドルフ)に参加を予定しており、内外での活躍が目覚しく、近年、急速に脚光を浴びています。

今回は日常に含まれる禍々しい気配と、それらを常に忘却、麻痺しうるほどの本能を考えながら変則的なVanitas画を描く気分で制作しました。また、表現的には写実といえども、物そのものを描くのではなく、何か脳内に浮かぶ映像のように表現できればと思います。
川原 直人

今回の個展「Ouroboros ウロボロス」(自分の尾を飲み込んで輪となった蛇。古代ギリシャのシンボルの意)では、川原が「死のイメージにより、逆説的に性愛や若さ(puberty)等の生のイメージを肯定的に表していると感じる」ムンクの作品を引用し、その絶望感と生命力が入り混じる絵画を再考察しています。

川原は、身近にある人物や風景などの写真や映画の場面を忠実に再現した独自の写実絵画を制作してきました。近年では、デューラー、バルテュス、レンブラントなどによる古典的傑作よりイメージを抜粋し、場面を再想定(リ・エンビジョニング)した絵画を制作しています。川原は、それら「再想定絵画」の中で、「Old-masterの主題をくり返し使用することにより既視感を導きだしつつ、現代にも通用するイメージの元型について考える」というテーマを追求し、それを観る者に提示します。この機会に川原直人の最新作品を是非ご高覧くださいませ。