EXHIBITIONS

ケリス・ウィン・エヴァンス 「双面」

会期:2007年3月9日(金) – 4月7日(土)

タカ・イシイギャラリーでは、3月9日(金)から4月7日(土)まで、ケリス・ウィン・エヴァンス個展「双面(ふたおもて)」を開催致します。1958年イギリス生まれ、ロンドンを拠点に活動するエヴァンスは、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1995年、2003年)を始め、第9回イスタンブール・ビエンナーレ(2005年)、ドクメンタ11(2002年)などに参加し、高い評価を得ています。また、MIT List Visual Arts Centre(2004年)、ボストン美術館(2004年)を始め、フランクフルト・クンストフェライン(2004年)、クンスタハウス・グラーツ(2005年)、BAWAG ファウンデーション(2005年)、パリ市立美術館(2006年)などで展覧会を開催してきました。日本初となる今回の個展におきましては、タカ・イシイギャラリーとCCA北九州における同時開催を実現する運びとなります。

ケリス・ウィン・エヴァンスの作品は、インスタレーション、彫刻、写真、映像、およびテキストを含む幅広いメディアで構成されています。映像作家デレク・ジャーマンの元でアシスタントを務めるかたわら、1980年代には短編実験映画の製作をすすめたウィン・エヴァンスは、ビデオ/フィルムメーカーとしてのキャリアを築きました。1990年代以降の作品は、「言葉と知覚をめぐる現象」をテーマとする彫刻、インスタレーションに移行しました。そのテーマは、展覧会が催される場所、そしてその歴史の文脈から離れたところで展開する作品コンセプトの明快さにもあらわれています。ウィン・エヴァンスにとって、インスタレーションは、とりとめのない旅の謎を解くための「さまざまな意味」を保存する場所のようなものです。彼の作品には、映画史と文学史にたいする深い興味に裏打ちされる、洗練された美意識があります。彼の作品の多くは、ロマンティックな願いや、欲望と現実の交差する歓喜と破裂の瞬間をあらわす言葉の可能性を引き出しています。”Firework”という題名の作品は、木枠で組まれた”open-ended text”(多くの寄稿者が発展、もしくは終わらせた、相互協力に依存するテキスト)を、ある一定の時間に燃やしつづける作品です。“Chandelier”という題名の作品は、モールス信号の閃光に転換されたテキストを、シャンデリアの形として展示することにより、別世界のコミュニケーションの存在を想像させる彫刻作品です。また、2003年のフィルムとスライドによるインスタレーション作品 ”The Curves of the Needle” は、映像とテキストと音響が並行してあらわれ、音響が消え、あるいは変化したときに起こる予期しないずれによってテキストの意味が広がっていきます。

本展では、ケリス・ウィン・エヴァンスの代表的作品”Mobius Strip”を中心に、最新作品を発表いたします。強烈な視覚体験をもたらし、静止した彫刻作品から映像に関する詩的なイメージをさまざまにかきたてるケリス・ウィン・エヴァンスの作品を、この機会に、ぜひご高覧くださいませ。
同時開催 ケリス・ウィン・エヴァンス展
会期:3月24日(土)- 4月20日(金)
会場: CCA北九州
http://www.cca-kitakyushu.org/