EXHIBITIONS

シルケ・オットー・ナップ 「Standing anywhere in the space in a relaxed position」

会期:2006年10月7日(土) – 11月4日(土)

タカ・イシイギャラリーでは、10月7日(土)から11月4日(土)まで、ドイツ生まれ、 ロンドンを拠点とする作家、シルケ・オットー・ナップの日本初個展を開催致します。

オットー・ナップは、個展「50ft Queenie」(2005年、テート・ブリテン)、「Orange View」(2003年、デュッセルドルフ州立美術館)、グループ展「The Subversive Charm of the Bourgeoisie」(2006年、ファン・アッベ市立美術館、アイントホーフェン)、「British Art Show 6」(2005年、バルティック・コンテンポラリー・アート・センター、ゲイツヘッド)、第9回イスタンブール・ビエンナーレ(2005年)、「The Undiscovered Country」(2004年、ハマー美術館、LA)など、海外美術館での展覧会に多数参加しています。また、「Sugar Hiccup」(2005年、タカ・イシイ・ギャラリー)にて国内で初めてグループ展に参加しています。

オットー・ナップは、初期にロサンゼルスやラスベガスの都市景観や庭のイメージを制作していますが、これらの作品は、彼自身の撮影した写真や既存の写真を基に、キャンバスに水彩絵具のみで描くという独特の手法で描かれています。密に層化された半透明のイメージを描くために、オットー・ナップは、水彩絵具を吸収しないキャンバスの欠点を利用しました。絵画に対する手法それ自体が、描かれた題材の空虚性に言及しているのです。 精密に造られたイギリスの庭園や、過去作品「ラス・ヴェガス・ストリップ」に描かれたカジノのショーガールやパフォーマンス風景などのイメージを描くことにより、オットー・ナップは、「人工的な内部空間」に焦点を当てた制作を続けています。

本展では、「構築された空間に存在する身体とその位置」、というテーマに焦点を絞り、より精度を増した最新作品を展示いたします。 アメリカの作家、イヴォン・ライナーのパフォーマンスや、パンク・ロック・ミュージシャンなど、幅広いイメージを題材として引用し、それらを単純化した形式によってイメージの再提示を試みています。水彩が飽和するように溢れたキャンバスに、銀のガッシュで濃淡のない部分を描き加えられたオットー・ナップの絵画は、像と背景の複雑な関係性を表現しています。