EXHIBITIONS

エイミー・アドラー 「Virgin Sacrifice」

会期:2004年3月26日(金) – 4月24日(土)

“…And I directed myself to perform for the camera, so I suppose, for now, that makes me the actor- writer-director.”
-Amy Adler (from A Thousand Words, ARTFORUM, April,1990)

タカ・イシイギャラリーでは3月26日(金)から4月24日(土)までロサンゼルスを拠点に活動するエイミー・アドラーの “Virgin Sacrifice” 展を開催致します。アドラーはロサンゼルスのThe Museum of Contemporary Art (1998)、ロンドンのThe Photographer’s Gallery (2001)、ロサンゼルスのThe Hammer Museum (2002)を含む多くの美術館で個展を開き、3回目の個展となる今回は、アドラ-自身が80年代に撮影した写真をもとに制作したペインティング6点を展示、販売致します。

以前は作品を作るプロセスとして彼女自身や有名人、不特定の人物が”写っている” 写真を探すことから始めた彼女は、選んだ写真をもとにドローイングを描き、それを撮影したものをデジタル処理した緻密、かつ独特な作品を発表していたが、その後は対象を自ら撮影した写真にパステルで手を加えた後、撮影するというプロセスへ変化し、その結果として生まれる写真は撮影されたものであるという存在感と同時に物語風という独特の質感も持ち合わせるようになった。

動的なイメージを更に直接的に作品中に含め始めたアドラ-は、今現在短編アニメーションフィルムの制作に取り組んでおり、今回展示される6点のアクリルペインティングは映像からの1コマがカンヴァスにペイントされた作品と言える。16才だった80年代に彼女と友人が夜に撮影した写真を基に制作されたこれらのペインティングは、物語の場面の断片を描写している。夜の闇、その黒く描かれたペインティングの表面に封じ込められ、描かれた彼女達が対話し始め、その場から逃れられなくなってしまう。光沢の有るペインティングの表面に閉じ込められた彼女たちは心理的なドラマの登場人物として存在しているのである。彼女のプライベートな記憶に、ある程度の創作を加えた “VirginSacrifice” は彼女自身と10代の一瞬、作品を見る者と作品中で使用されている媒体との間で終わることのない会話を続けている。

“静” から “動” へ創作の幅を広げたエイミ-・アドラ-の本作品を御高覧下さいませ。