EXHIBITIONS

法貴信也

会期: 2019年9月14日(土) – 10月12日(土)
会場: タカ・イシイギャラリー 東京
オープニング・レセプション: 9月14日(土)18:00 – 20:00

タカ・イシイギャラリーは9月14日(土)から10月12日(土)まで、法貴信也の個展を開催いたします。タカ・イシイギャラリーでの5年ぶり5度目となる本展では最新作のペインティング作品約15点を展示いたします。 

地と線に対して汚れをバッファにしないため、地と汚れと線を三すくみとしてみた。
三者が入れ替え可能となったことで、絵をクルクルと動かし続けることができた。―――中略―――
ストロークによる絵を、一つの体ではまかないきれないサイズに描こうとすると、一般に、体をコンパスや定規のように見立てたパターンで画面を充填するか、体を拡張するための画具によって引き伸ばされた動きを画面に落とし込んでいくかのどちらかになる。しかしながら、明らかに人の体の動きによってできたと思われる絵の中には、この二つの方法では捉えられないものがある。そういった絵を前にして、考えるべきは、この個別の体を単位にどう自然に絵を描くかではなく、絵からの要請で立ち上がる不自然な「絵を描く体」というものをどうやって手に入れるのかなのではないだろうかと思うに至った。そう思いついてから随分と長い時間が経つ。

法貴信也(2019年8月ステートメントより抜粋)

黒い線の分解色として、濃紺と赤茶色の二本の線で描かれてきた法貴の「二本画」の絵画表現は、独自のアプローチによって新たな展開を見せています。法貴は、長い年月をかけて「地」と「スケール」について果敢に取り組んできました。2012年以降、イリュージョンを立ち上げる造形的な線に対してこれまでニュートラルな空間とみなしてきた地に、汚れという要素を取り入れて作品を制作してきました。そこからさらに踏み込んで、この汚れと線と地、それぞれの役割が全体の関係で事後的に決定されるという新たなアイデアによって、本展で発表される新作は複雑な空間性を獲得していきます。加えて法貴は、抽象絵画における身体性に着目し、様々な大きさのカンヴァスに向かいます。描き出された独創的な線とフォルム、またその関係は、作品が有する身体性とともにペインティングの豊かなありようを示しています。この機会にぜひ法貴信也の最新作をご高覧ください。

法貴信也は1966年京都生まれ、京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了後、京都を拠点に活動。「ASSEMBRIDGE NAGOYA 2017」旧名古屋税関港寮(愛知、2017年)、「蜘蛛の糸」豊田市美術館(愛知、2016年)、「キュレーターからのメッセージ2012現代絵画のいま」兵庫県立美術館(兵庫、2012年)、「肌理と気配-Textures」国際芸術センター青森(青森、2012年)、「絵画の庭」国立国際美術館(大阪、2010年)などに出展。作品は、豊田市美術館(愛知)、国立国際美術館(大阪)、高松市美術館(香川)、岡崎市美術博物館(愛知)などに収蔵されている。

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