EXHIBITIONS

植田正治 「砂丘モード」

会期: 2012年2月24日(金) – 3月27日(火)
会場: タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム (東京・六本木)
植田正治生誕99年記念クロージング・レセプション: 3月27日(火)18:00 – 20:00

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タカ・イシイギャラリー フォトグラフィ―/フィルムは、2012年2月24日から3月27日まで植田正治個展を開催いたします。1983年から植田が手掛けた「砂丘モード」シリーズより、モダン・カラープリント約10点と、90年代に植田自身の手によりプリントされた同シリーズのモノクローム作品数点を展示いたします。

若い頃、テーマに行き詰ったら、砂丘へ行けばいい、と言ったものだった。裸の女のように横たわる広大な砂丘は、 砂と空と海の典型的単純化の世界で、風景写真の題材としては、どちらを向いても「画」になった。その頃から砂丘に植林がはじまっていて、その筋の人に「砂丘の姿がなくなるのは残念ですな」といったら、逆に叱られたことがあった。「近くの農家のことを考えてみなさい、飛砂で困っているのだから」ということであった。今は、その樹を抜いて砂丘を広げるという。時代の変遷は、おかしい。

植田 正治
植田 正治「砂丘 植田正治写真集」PARCO出版局(1986年)より

1913年鳥取県境港市(当時西伯郡境町)に生まれた植田は、戦前よりアマチュア写真クラブや写真雑誌を通してその作品が高く評価され、2000年に他界するまで一貫して郷里である山陰を拠点に代表作「童暦」(1955-1970年)や鳥取砂丘を舞台とした砂丘シリーズ、出雲の各地を郷愁溢れる視点から撮影した作品群などを発表してまいりました。
1983年に最愛の妻を亡くした植田は、同年広告業界のアートディレクターであった次男・充氏の提案により、砂丘を背景にファッションブランドTAKEO KIKUCHIのカタログを撮影します。これをきっかけに、雑誌「ブルータス」の巻頭ファッションページ(1985年)やアニエス・ベー、カインドウェアの広告写真(それぞれ1986年、1989年)などそれまで経験したことのなかったファッション写真を次々と手掛けました。後に「砂丘モード」シリーズとしてまとめられたこれらの作品は、失意の中にあった植田が撮影意欲を取り戻す契機となるものでした。
70代に至りながらも衰えなかった植田の好奇心・実験精神を体現した作品を、是非この機会にご高覧ください。